寝込みを襲われた抜き打ちドーピング検査にテニスのクルム伊達選手(44)が激怒し、警察に通報する騒動があった。検査は事前通告なしが認められているとはいえ、深夜に押しかけるというのは非常識じゃないか。
検査員の無礼な言動に警察官呼ぶ騒ぎ
騒動があったのは15日の真夜中。午後10時すぎに就寝した伊達のもとに日本アンチ・ドーピング機構の検査員2人が訪れた。しかし、伊達は就寝前にトイレにいっていたため、検査に必要な尿の量がとれず、1リットルの水を飲まされる羽目になった。
検査員の言動も無礼だったという。激怒した伊達は警察に通報。すると検査員は「時間が時間なので、継続不可能だと拒否することができます」と態度を一変させたという。
伊達は自身のブログに「挑発的な調査員の言動は納得できません」「さらに、あとから時間が時間だからというのは分かりません。私は午後10時の段階ですでに寝ていたし、午後11時の段階でどうしてその選択があることを言ってくれなかったんですか」と書いた。
警察官を交えて話し合った結果、検査をもう1度行うことにして騒動は終わった。しかし、伊達の怒りは収まらない。「大切なこの時期にアスリートの活動を完全に崩す結果になっているこの(抜き打ちドーピング検査の)システムにどう考えても疑問が残ります」
抜き打ちでやる「競技会外検査」
日本アンチ・ドーピング機構(会長・日本医科大学大学院鈴木秀典教授)はドーピングに関する啓発と活動を行う公益財団法人だ。ドーピング検査は競技会検査と競技者から提供された居場所情報をもとに事前通告なしで実施する競技会外の検査がある。
今回の問題について、「アスリートへの敬意や言葉遣いについて再検討する」と話しているが、寝静まった深夜にアスリート宅を訪れ、抜き打ち検査をすることが医学的に必要なのかどうか。強制的に水を飲ませて正確な検査結果が得られるのか、解せないことが多い。
司会の羽鳥慎一「今回知ったんですが、選手は1年365日どこにいるか伝えておかねばいけないということなんですね。凄い厳しい状況の中でやっているんだなということが分かりました」