フィギュアスケートのグランプリファイナルで2連覇した羽生結弦選手(20)がきのう16日(2014年12月)にスペインから帰国した。会見で「これだけ幸せな気持ちで滑れたのは本当に何年ぶりかでした」と語った。
この2か月の苦闘を思えば無理もないが、それよりも空港での様子にみんな驚いた。成田空港のゲートを出てきた羽生は、ナップサックを背負った普通の若者だったが、ずらり並んだ記者やファンに軽く会釈をして、カメラの注文に メダルを見せて、あっちのカメラ、こっちのカメラとポーズをとった。会見場へ向かう廊下に入るところでも、あらためて深々とお辞儀をしていた。
これについて、「みなさん全員に挨拶することがなかなかできないので、感謝の気持ちが伝わっていたら嬉しいなと思ってます」と話した。
「ボクにもすごく悪いところはたくさんあります」
女性記者が「子どもを羽生選手のように育てたいというお母さんが多いのですが、どうしたら羽生選手のように育つと思いますか」とバカな質問をした。それへの答えが秀逸だった。ちょっと長いけれど全部を記す。
「とくに自分は謙虚だとは思っていないですし、逆にどちらかというと貪欲というか、勝ちにこだわる性格なので、ビッグマウスと思われるような子だと思います。ボクはボクですし、それぞれのお子さんの良さというか、人間は1人として同じ人はいない、十人十色なので、それぞれがそれぞれの良さがありますし、ボクにもすごく悪いところはたくさんあります」
そして、「悪いところだけじゃなくて、いいところも見つめていただければ、(子どもは)喜んでもっと成長できるんじゃないかと、ちょっと20歳になったからいわせていただきます」としめくくって笑顔をみせた。この7日に20歳になったばかりだ。
26日から全日本選手権!3連覇狙い
司会の加藤浩次「どうやったら育つかって、羽生選手のお母さんに聞かないといけない質問なんだけど、それにちゃんと答えてる。変な質問に嫌な顔ひと つしない」
キャスターのテリー伊藤「素晴らしい答えだったでしょ。子どものいいところを伸ばしてあげてくださいって、なかなかいえない」
加藤「しかも20歳になったばかり」
大沢あかね(タレント)「こんな息子が欲しいですね。肉体的にも精神的にも疲れてるはずなのに、ちゃんとファンの前でおじぎをして」
加藤「そう育つはずないと思った方がいいですかね」
テリー「変な期待をかけるとプレッシャーになっちゃうからつらいよね。俺は羽生クンじゃねぇと」
阿部祐二レポーター「羽生選手の態度に記者の間から『すごい』という声があがっていました」
練習中に衝突して負傷しながら見事復活して、ファイナルで連覇した。会見で「ファンや周囲の人に背中を押していただいた」といったのは本音だったろう。
宮崎哲弥(評論家)「この謙虚さと気遣いはゆるぎない自信の表れですよ。とくに事故を乗り越えたことが静かな自信になっているんでしょうね。この歳ですごい」
26日からの全日本選手権は3連覇がかかる。これにも「いまから試合は始まっています。短い期間でどこまで成長できるか」と語る。
テリーが「プライベートがない。すこし自由にさせてあげたいね」といっていたが、プライベートをなくさせているのは報道関係じゃないかな。