即席やきそばで圧倒的な人気の「ペヤング」にゴキブリが混入していた問題で、製造・販売元の「まるか食品」(本社・群馬県伊勢崎市)は11日(2014年12月)、全24商品の生産・販売を休止すると発表した。街の声を聞くと、若者は「ないと困る」「食べたい」という声が多い。販売するスーパーも「目玉商品がなくなる」。なんとも意外な反応だった。
「製造過程でゴキブリ混入の可能性否定できない」
リポーターの阿部祐二が世田谷の居酒屋をのぞくと、メニューに「ペヤングソース焼きそば」とある。野菜などを加えて熱湯をそそいで、紅ショウガなどを乗せて、ハイできあがり。容器のカップもそのままだ。店では「在庫がなくなったらメニューから消える」と話す。
都内のスーパーでは陳列棚から「ペヤング」が消え、倉庫に移されていた。「他の焼きそばの10倍くらい売れるナンバーワン・ブランド。これがポコッと抜けると、年末焼きそばが品薄になる可能性があります」という。
1975年に販売開始した超ロングセラーで、カップ麺を若いカップルで分けあって食べてと、「ペア+ヤング」からペヤングと名付けた。以来39年、関連商品は24種類になり、販売額は130億円に上る。「全日本ペヤング愛好会」なんてグループまである。
ことの発端は今月2日、「ペヤング ハーフ&ハーフ激辛やきそば」にゴキブリが混入していたという写真入りのツイッター投稿だった。まるか食品が3日に現物を回収して外部の検査機関に分析を依頼し、4日に同時期に製造した2製品(賞味期限2015年5月9日)約5万個を自主回収した。
まるか食品は当初、「工程上このような混入は考えられない」と否定的な見解だったが、きのう11日になって「製造過程で混入した可能性も否定できない」とした。ゴキブリから工場で使用している油が検出され、麺を油で揚げる前の工程で混入した可能性が考えられるという。