「たった一人の横綱、自民党はガップリ四つで懐深く、堂々と構えて王道の政治をすればいいのに、降ってわいた解散総選挙は誰も腑に落ちていない」
「今回の総選挙はみなさん冷めている。数字を並べ立て、ハイテンションで、マイクでガンガンやればいいってもんじゃない」
「アベノミクス、実感ありますか? 首を振っている人が多いですね。我々はそこに向き合わないといけない。今回の選挙も、なぜ今解散なのか。そう思っている方が多い」
これは野党候補者の選挙演説ではない。近い将来の総理候補と呼び声の高い小泉進次郎の応援演説なのだ。『週刊文春』で進次郎の密着取材を続けている常井健一が、安倍首相並みのハードスケジュールで候補の応援に飛び回っている進次郎のルポをしているが、今回は明らかに変化があると書いている。
200回近い演説を聴いてきた常井氏が、言葉は巧みだが「聞けば聞くほど、何をしたいのか、わからなくなる」(常井氏)のが進次郎の言葉だったが、政権構想のようなビジョンを語り、新しい自民党を掲げて戦っているというのである。
「末は博士か大臣かと呼ばれた昔の政治家になりたい」「自民党を消去法の結果、選ばれる政党ではなく積極的に支持される政党に変えたい」という言葉から、彼の国家感を感じ取ることは、私にはできない。だが、何となくではあるが、現在の安倍政治には批判的で、違う方向を自分は目指すのだといっているようには聞こえる。
海江田万里民主党代表が絶叫すればするほど民主党の票が逃げていく。共産党に至っては不破哲三まで引っ張り出して演説させるとは、何を考えているのかと思わざるを得ない。
週刊文春で飯島勲内閣参与が「自公345議席で内閣改造はなし!」などとぶち上げているが、残念ながらこの「悪夢」が現実になるかもしれない。わずかな望みは、大勝した自民党が仲間割れして、小泉進次郎が新党結成してくれることしかないとすれば、日本の前途はますます暗い。
JTB取締役呆れた社員向け文書「創価学会にお世話になってるから公明党に投票を」
円安で大手輸出産業はウハウハのようだが、中で働いているサラリーマンの実質賃金はさほど上がっていないといわれている。『週刊ポスト』は企業は儲かった利益を自民党へ「悪質なキックバック」をしていると難じている。自民党への企業・団体献金リストを公開しているが、そこには輸出で潤っている業界や、バラマキ公共事業で儲かっているゼネコンが名を連ねている。
上から日本自動車工業会、石油連盟、日本電機工業会、トヨタ自動車、日本鉄鋼連盟、キャノン、不動産協会、住友化学、新日鉄住金、三菱重工業などだ。さらに許せないのは大手旅行代理店の「JTB」が、取締役旅行事業本部長名で社員にこういう文書を配ったというのである。
「国内研修会をはじめとした各種需要を頂戴している創価学会様より、支援政党である公明党への支援要請がJTBグループにあり、営業政策上の観点から各事業会社においても可能な範囲での協力を求められております」
とんでもないことだ! もはやこの国では「節操」という言葉が死語となってしまっている。企業倫理に照らしてもおかしいとJTBは思わないようだ。困ったものだ。
株価2万円で大暴落が起こる!海外投資家はすでに円売り日本株手控え
株価だけが上昇している。『週刊現代』は「2万円」時代が来るというのだが、これまでのように「株を買え、株を買え」という内容ではなく、それによって国民はさらに苦しめられるというのである。
株が上がっても景気は一向によくならない「不況の株価」という歴史的にも世界的に見ても「超異常事態」は、そう長く続くはずがないと週刊現代は書いている。
11月(2014年)下旬に財務官僚と証券会社の国債担当者が集まる「国債インナーサークル」という会合が開催され、そこで「急速に円安が止まらなかったら、当局にそうした流れを止める手段がない」という声が上がったそうだ。そうなるとどうなるのか。「非常に不幸な物価上昇につながる恐れがある」という。
海外投資家たちはアベノミクスで景気がよくならない日本経済に嫌気がして、円を売り始めているという。最悪の場合、円の売り浴びせが起こり、日銀もこれを制御できずに、さらなる物価高で庶民の生活が圧迫されることになりかねない。
今年年初からの日経平均株価を円建てとドル建てで見てみると、円建てでは右肩上がりになっているが、ドル建てで見るとほとんど上がっていないことがわかる。世界はアベノミクスの限界に気付いているから、海外の金融機関は日本株を積極的に買っていない。
さらに、ドル建てで見ると、安倍政権が誕生してから日本のGDPは約1兆ドルも縮んでいて、今や中国のGDPの半分にも及ばない水準まで落ちているという。円安で円は4割も安くなったというのは、日本人が4割貧乏になったということである。
国が縮み国民は貧しくなる。これがアベノミクスの正体なのだ。今の株バブルは人為的につくり出しているものだから、日経平均株価が2万円あたりになると臨界点になり、大暴落が起こる可能性があると警告している。このところ中国や欧州の経済不安をきっかけにした世界的な株安が続き、東京証券取引所も例外ではない。
この株の下落に一番神経をとがらせているのは安倍首相に違いない。投票日が過ぎるまでは株高を『演出』したかった安倍首相だが、それをあざ笑うかのごとき連日の株安だが、このままいくと選挙後にアベノミクス崩壊という事態も起こりうると、私は思っている。だから一人でも多く選挙へ行って、これからの日本を託すに足る人間に一票を投じようではないか。
たかじん娘「殉愛」告訴の言い分!ノンフィクションと言いながら彼女に取材しなかった百田尚樹
先週、林真理子が週刊文春で、やしきたかじんの新妻・さくらさんが献身的に看護したことを取り上げたノンフィクション「殉愛」についての「騒動」を、どこの週刊誌も報じないのはおかしいと書いていると伝えた。林の『剣幕』に驚いたのであろう、週刊文春は著者である百田尚樹に弁明させ、『週刊新潮』は5ページも割いて「遺族と関係者の泥沼の真相」と題した特集を組んでいる。
『週刊朝日』はたかじんの最初の妻との間にできた唯一の娘H子さん(41)のインタビューを掲載している。
重婚、たかじんのメモの筆跡が違うのではないか、カネ目当ての結婚ではないのかという「疑惑」は一掃されたのか。娘と新妻のいい分はどちらが正しいのか。読み比べてみた。
百田は「林真理子さんの疑問にお答えします」で、重婚の事実はないといっている。さくらはイタリア人と結婚していたが12年の3月に離婚し、たかじんと入籍したのは13年10月。これは戸籍を見て確認しているという。ちなみに、たかじんが亡くなったのは入籍からわずか4か月足らずである。
他にも彼女には離婚歴があるが、彼女の過去を問題にして「悪女」にしようという世間の悪意は理解できない。たかじんの最後の2年間を献身的に支えたのは紛れもない事実だと突っぱねる。
だが、後述するように、遺産を巡って不可解なことが起きているため、<「もちろん人の心の奥底に何が潜んでいるか、見えないところはあるでしょう。しかし私は、自分の目に曇りがあったとはとても思えないのです」>と予防線を張った結び方をしている。
週刊新潮では、メモの疑惑は「あるサイト」(どこかは書いていない)の求めに応じた日本筆跡鑑定協会指定鑑定人の藤田晃一が鑑定した結果、「あのメモはたかじん氏の真筆」だという。
問題を複雑にしているのは、百田が本でも書いている、たかじんとさくらさん対H子さんのこじれた関係である。さくらさん側は、たかじんは娘を嫌っており、彼が食道がんだとマスコミで報じられたとき、H子さんから「なんや食道ガンかいな。自業自得やな」というメールが来て、たかじんが激怒したことや、見舞いに1度も来なかったことをあげて、娘の不実をいい募っている。
そのH子さんは週刊朝日で、離れて暮らしてはいたがクリスマスにはプレゼントを買ってもらったり、大人になってからも年に1、2回は会っていて、決して仲の悪い親子ではなかったと話している。
また、たかじんの偲ぶ会でさくらさんが挨拶した際、大きな声で野次を飛ばしていたと本で書かれたが、そんな声は出していないといい、H子さんの弁護団は会の進行を記録した録音を確認したが、野次は聞き取れなかったといっている。
両者のいい分はまったく違っているが、ここで私が疑問に思うのは、ノンフィクションと銘打っているのに、著者がH子さんに1度も取材をしていないことである。看護の話だから数メートル四方だけのことさえ分かればいいというのかもしれないが、たかじんは女性関係も含めて極めて複雑な人生を抱え、死と向き合っていたと推測する。
そうしたノンフィクションを書く場合、最終的には取り上げないかもしれないが、唯一の娘の話は聞いておくのが常道である。百田の得意な「ノンフィクション・ノベル」という不思議なジャンルのものを書くなら、そうしたことは必要ないのかもしれないが。
最大の焦点はたかじんの遺産を巡る問題である。遺産は総額で8億円ともいわれているそうである。遺言には「6億円程度を大阪市などに寄付し、娘H子には相続させない」と書かれているという。
その他にも、金庫に2億8000万円のおカネがあったというが、そのうち1億8000万円はさくらさんがたかじんと「業務契約を交わしていて、毎月一定額の支払いを受ける約束になっていた」から、彼女のものだと主張している。
夫婦なのに業務委託契約を結んでいた? 仕事内容は「セクレタリー業務」となっていると週刊新潮は書いている。さくらさんは元マネージャーに対して使途不明金の返還請求訴訟を起こすことも考えているそうだ。
失礼だが、こうしたことが事実なら、このさくらさんという人物、カネに恬淡とした女性ではないようである。週刊朝日は<Hさんに取材せずに作品を世に出したことに問題はなかったのか。幻冬舎と百田氏に見解を尋ねたが、「現在係争中であり一切の回答を差し控えさせていただきます」>と書いている。
わたしは東京に住んでいるから、「やしきたかじん」という人がどれほどの人気があるのか分からない。本音でズバズバものをいうキャラクターでカリスマだったらしいが、もし生きていたらこの騒動に対して何というのであろうか。
ここまで騒動が広がったのも、作家がものを書くときに欠いてはならない関係者への「配慮」を怠ったことからである。H子さん側の弁護士は私も知っている講談社の顧問もやっている人間である。講談社発行の週刊現代、フライデーはこの問題をどう扱うのか。またはダンマリを決め込むのか。次号を楽しみにしたい。