ノルウェーのオスロできのう10日(2014年12月)行われたノーベル平和賞の授賞式で、受賞者のマララ・ユスフザイさん(17)は「すべての子供が学校へ通えるようになるまで闘い続ける」とスピーチした。彼女はこれからも命を狙われる可能性がある。長い戦いのスタートだ。
「このノーベル賞はわたしだけの賞ではありません」
スピーチは「私の翼を折らず、飛び立たせてくれた父に感謝します」と始まり、「この賞は私だけの賞ではありません。教育を受けたいのに忘れ去れた子どもたちへの賞です。子どもたちが教育を受けられない最後の時代にするために立ち上がりましょう」と訴えた。「最後の時代に」を3度も繰り返し、さらに「私たちは皆、不可能なことはないと信じています。45年前に人類は月に到達し、まもなく火星に到着するでしょう。それならば、この21世紀に、すべての子どもに質の高い教育を与えられなければなりません」と語った。大きな拍手が起こり、満足げな笑顔で両親も見守っていた。
彼女が銃撃されたのは2012年だ。通学のバスの中で、乗込んで来たイスラム原理主義組織タリバーンの男たちに頭部を撃たれた。重体になったが、治療のためイギリスに居を移して奇跡的に回復した。その後も基金を設立するなど活動を止めず、さまざまに発信も続けた。銃撃が彼女をさらに強くしたともいえる。
17歳少女とは思えない力強さ
司会の加藤浩次「17歳とは思えないスピーチですね」
キャスターのテリー伊藤「世界にまだ愚かな部分があることを示している」
おおたわ史絵(内科医)「自分が17歳の時どうだったかと考える人も多いと思います。ものすごく力強い言葉ですよね。あんなに伝わってくる言葉を久しぶりに聞きました」
坂口孝則(経営評論家)「いまだに自国では必ずしも支持されているわけではないんです。ノーベル平和賞が彼女でよかったのかという声もありますが、スピーチには感動しました。賞を与えてよかったなと思えるような活動をしてほしいですね」
どうやら、マララさんのことはあまり好きではないらしい。
テリー「平和のシンボルでもあり、命を狙われる可能性もありますよ」
一方、スウェーデンのストックホルムでは、日本時間の11日午前0時半から華やかに授賞式が行われた。物理学賞を受賞した赤崎勇・名城大教授(85)、天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が、カール16世グスタフ国王からメダルを授与された。授賞式を終えた中村教授のコメントがよかった。「メダルの感想は?」と聞かれ、「ただの金属ですよ」