ノーベル賞授賞式を2日後にひかえたきのう8日(2014年12月)、赤崎勇・名城大終身教授(85)、天野浩・名古屋大学大学院教授(54)、中村修二・カリ フォルニア大サンタバーバラ校教授(60)がストックホルムで記念講演を行った。受賞者が一般の人たちを前に研究内容や考えを述べる恒例行事で、3人とも英語で話した。
赤崎氏は「名前のアカは赤色を意味しますが、きょうは青い色について話します」
中村氏は「以前は赤崎教授、天野教授が世界一でした。私が発明したあと一番になった。赤崎さん、天野さん、ごめんなさい」と笑わせた。
一般向け講演でも家族・両親の名前を挙げて感謝
天野氏は「今は設備も資金も私の時代よりずっと整っています。若い人たちにはより難しい問題に挑戦してほしい」と生真面目なものだったが、最後に家族と亡くなった両親の名前をスクリーンに出して、「土曜も日曜もなく研究に没頭できたのは家族のお陰だ」と感謝の思いを伝えた。
会場には妻の香寿美さん、長女の彩さん、長男充さんもいたが、香寿美さんは「わかりやすかった」。名前が出たことに、彩さんは「そうきたか」、充さんは「びっくりしました」
天野さんの家族は天野氏が名古屋、夫人がロシアで日本語教師、長女は京都、長男は東京で学生生活と、離ればなれに住んでいる。家族が会うのはお正月以来だという。「(講演の)点数は?」と聞かれ、彩さんは「120点。最初からうまくいったわけじゃないと強調していたので」、充さんは「いろんな人の助けがあってできたといっていたので、父らしいなと思いました」
天野教授はそのあとコンサートに出席したが、感想を聞かれると「半分寝てたものですから。すみません」とこれまた正直だ。
司会の加藤浩次「天野さん一家というのは、カメラの前でも堂々としてますね」
キャスターテリー伊藤「とくに香寿美さんね」
世界中が注目のおじさんキャラ
ロバート・キャンベル(東京大教授)「ノーベル・スピーチは世界中が注目するが、最近はヘッドセット・マイクをつけて舞台の前で話をするんです。立体的だし、人となりもわかる。天野先生の話は人間味があって温かい話でしたね。研究の動機付けなどとっても面白かった」
テリー「赤崎教授はどうでした?」
キャンベル「すごく上品でした。旧制高等学校の名残というんですか、上品な英語でした」
加藤「家族の名前を出すことはよくあるんでしょうか」
キャンベル「ありますね。本の献辞のような」
授賞式は明後日11日の木曜日だ。