「杉の木のオガクズは食べられる」
真面目にこの研究に取り組んでいる大学教授がオガクズの粉でドーナツを作り、スタジオで試食してみた。奇抜というか斬新というか、この研究に取り組んでいる静岡理工科大学物質生命科学科の志村史夫教授は、杉の木が食品を長持ちさせる力のあることを発見し、捨てるのはもったいないと考えたのが、杉の木のオガクズを食用として再利用することだった。
パウダー状にして油で揚げればできあがり
志村教授は手に握ったオガクズを見せながら、「木の成分は炭水化物で、われわれが普段から食べているものと同じなんです。思わず食べたくなりませんか、これ」と差し出す。専門は食品とは無縁の半導体の研究なので、料理研究家に協力を依頼したがことごとく断られた。
やっとつかまえたのが、地元の浜松市で雑穀料理のレストランを経営している石本静子さんだった。「雑穀も細かく粒にするので、その料理法でやればできると最初から思ったね」
まず、オガクズを網の目の粗いふるいにかけて木片などを取り除き、最後に網の目が0.25ミリのふるいで仕上げ、そば粉並みのきめ細かいパウダー状にする。これに同量のトウモロコシの粉とホットケーキミックスを加え、適量の水でこねあげて小さく丸めて油で揚げる。出来上がったのがオガクズドーナツ。
原元美紀レポーター「ヒノキのさわやかな香りを感じながらドーナツを食べる不思議な感じでした」
文
モンブラン