あぁ、昔やっておけばよかったと思う。マンガを読んでこなかったことだ。両親もマンガを読まなかったせいか、子供の頃ほぼ禁止されていた。読んでいいのは「サザエさん」「いじわるばあさん」「ちびまるこちゃん」「エスパー魔美」ぐらい。風邪で学校を休んだ時だけ「りぼん」を買ってもらえた。
だから、大人になってもマンガを読む習慣がまったくない。仕事関連で資料として読むぐらいだ。資料として2つのマンガを読んでいるのだが、これがなかなか面白い。企画書や台本制作そっちのけで読みふけっている。名前はあげられないが、戦争を描いた作品と大ヒット少女マンガだ。
少女マンガに私はハマッてしまっている。作品テーマの一つになっているのが女同士の付き合い方。「女子度を下げる」=「女子に受ける秘訣」となるが、そこには本人も気付かない深い罠があっったりすることが作中にチラホラ起きる。
女性視聴者から圧倒的支持!
たしかに、女子度低めの人は女性人気が高い。タレントで考えてみると、そのキャラで売っているのは鬼奴さん、大久保佳代子さん、渡辺直美ちゃん、ハリセンボンの2人などなど。逆に女子度が高くても女性たちから支持されるのは、よほど雲の上のような存在の人だ。
よく男性スタッフから聞かれる。〇○さんって女優は女子に人気あるの、主婦に不人気なのはなぜなの。これはキャスティングの重要ポイントになる。嫌いな女子がテレビに出ているとテレビのメイン視聴者である女性は番組を見ない。ここに受けないと視聴率へモロに影響する。男受けバツグンのマドンナタイプか、女子度が低めだけれど女性から圧倒的人気を誇る人。
ある種、クラス内の両極端が絶えずいる状況だ。加えて、女子からいつも「男子ってバカねえ」と言われながら、クラスの盛り上げに必要不可欠なおもしろ男子もマストで欲しい。年齢にバラツキがあるけれど、30人いたクラスメイトの凝縮版がテレビの向こう側に揃えられている感じだ。
一度はまるともう脱出できない「女子度低下キャラ」
さて、女性から支持される女子度低めの女性に話を戻そう。読みかけの少女マンガでは、おとなしい主人公が敢えて女子度低い女の子を演じるのだが、その理由が切ない。中学生時代にカワイイだけで男子からモテたため、仲良し女子たちが妬み、次第にグループから外されて孤立してしまった経験があるからだ。仲間外れの恐怖を知った彼女は、高校入学とともに、キャラを女子度低めにイメチェンするのだ。カバンの中はぐっちゃぐちゃ、ガサツで大食い、「クソウケるんですけど!マジキモいしウザイ~」と言葉遣いも汚くなる。
そこまでしなくてもいいと自覚しながらも、いつしかこの立ち振る舞いが身についてきてしまうのだ。ありの~ままの~姿でいることは難しい。誰もが経験したことがある。もはやどっちが本当の自分なのかわからなくなった人も多いのではないだろうか。そして、本当にモテたいと思い始めた頃に、クセが抜けなくて大変苦労する。ちょっと色っぽくリップの色を変えてみたいけれど、こんな私がやったら周りに引かれないだろうかと余計なことを考え、胸ときめきそうな男子の前で「それヤバイっすよね~」と口がすべったり、電車に乗る時に両膝頭を揃えて座れず、股が開き気味にしかいられないとか。
そうそう、アルアルとページをめくりながら、女子度低めからの脱出がいかに大変か、高校生の主人公に三十路オーバーが共感してしまっている。やっぱりマンガは読んでおくべきものだ。
モジョっこ