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「イスラム国」拘束の湯川遙菜氏いまどうなってる?救出に消極的な外務省

   ところで、「イスラム国」に日本人の湯川遙菜氏(42)が拘束されてから3か月が過ぎた。週刊ポストによれば、外務省は「イスラム国」幹部とのパイプを駆使して湯川氏救出に乗り出したイスラム研究者の提案を黙殺していたという。その中田考同志社大客員教授をインタビューしているが、中田氏は「イスラム国」にテロ志願した北大生の件で、10月に警視庁公安部によって家宅捜査されている。

<「私は研究で培ったイスラム諸国とのパイプを活かして長年、外務省の要請により協力してきました。今回、イスラム国に拘束された日本人人質の解放のために危険を冒してシリアにも渡った。それなのに、日本政府は人質救出を支援するどころか、私を私戦予備の疑いで捜査している。どういうことなのでしょうか」>

   コーランは同じイスラム教徒を殺すことを禁じている。したがって彼が「イスラム国」に協力することなどありえないと話している。<「イスラム国の人間と連絡を取っているというだけで『テロリスト扱い』されて、私戦予備・陰謀の容疑をかけられたら、誰ひとりとしてイスラム国と連絡をとることができなくなります。

   日本ではイスラム国は全員が戦士のように誤解されていますが、そこで暮らす99%は普通の生活を営んでいる普通の人です。そうした現地の実態を伝える人間がいなくなれば、ますます無知と無理解が広がってしまいかねません。

   私はシリアのアサド政権が人々を殺戮していたときも、『空爆の前に人々を助けに行くべきだ』と発言してきました。トルコを含めてすべての国が国境を開かなければ、普通にそこで暮らす人たちが国を出ることができず犠牲になる。

   イスラム国やカリフ制を研究するだけで『テロリスト』とされるのであれば、これは表現の自由や学問の自由を脅かす事態ではないでしょうか」>

   もっともな怒りである。いくら無謀な人間でも、日本人である限り国や外務省はあらゆるルートを通じて救出を図るべきである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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