昨年(2013年)1年間の火災による死者の数は1625人に上る。消防庁によると、とくに冬に増加する。なぜなのか。中山美香リポーターは「冬の火事の出火原因でもっとも多いのが放火、次にタバコの火の不始末となっていますが、出火原因不明というのもそれなりの割合を占めています」と伝える。原因不明の出火とはどんなものなのか。
窓際の老眼鏡
2006年、福岡県大川市で無人の車から突然出火した。実況見分ではダッシュボードの上に置かれていた紙が黒く焼け焦げていた。その後の調査で、窓に付けていたお守をつるす吸盤がレンズの働きをした収れん火災だったことが判明した。収れん火災の危険は車だけではない。日本火災学会元理事の鈴木弘昭理学博士はこう警告する。
「室内の窓際に虫眼鏡や老眼鏡を置き、その側に新聞などがあればレンズを通して熱や光が照射され、火災の原因となります」
昨年6月には東京・江東区の民家で洗面台に保管していた電池が突然発火した。袋の中に一緒に入れていたコイン型リチウム電池と角型電池が接触して発火したのだ。
携帯電話充電器から発火
携帯電話充電器の電話口への差し込み口が曲がり、元に戻したときにも注意が必要だという。元に戻ったように見えるが、コードの中では配線の接触があり、これが漏電の原因になる可能性があるからだ。
おおたわ史絵(医師)「これは携帯電話だけの問題ではないですよね。家庭用の延長コードを買ってきて、長すぎるからとコードを巻き取る人がいますが、コードをグルグル巻きにすると中で断線・接触しているかもしれないんですよね。気をつけないと」
文
ナオジン