風邪の症状に似たRSウイルスが11月(2014年)に入り猛威を振るっている。乳児や高齢者が感染すると重い肺炎につながり、死亡リスクが高くなる。国立感染研究所によると、今月10日から16日までの1週間に、新たにRSウイルスの感染が確認された患者は全国で4328人に上っており、調査を開始した2003年11月以来最多になっている。
せき、鼻水、のどの痛み...症状は風邪そっくり
RSウイルスは「呼吸器感染症」とよばれ、強いウイルスではないが、抗体ができないため何度も繰り返し感染するのが特徴だ。齋藤孝キャスターが「ワクチンはあるんですか」と東京・杉並の堀ノ内クリニックの粂川好男院長に聞く。
「RSウイルスの存在は数十年前からわかっているんですが、ワクチンは副作用の問題もあり現在はできていません。薬も抗生剤が効かない状態です」
治療も痰を和らげる薬の投与や気道の炎症を抑える対処療法になるという。
初期症状はせきや鼻水、のどの痛みなど風邪と同じだが、乳児や高齢者が見逃して重症化すると、肺炎になり死亡するケースも出てくる。推定では、年間数千人から数万人規模でRSウイルスによる肺炎で死亡していると見られている。
予防は手洗い、うがい、アルコールによる消毒。1月にかけて流行のピークを迎える。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト