理路整然と疑惑を否定する饒舌な容疑者だ。きのう19日(2014年11月)、京都府向日市の67歳の女性が夫を青酸化合物で死亡させたとして殺人容疑で逮捕された。夫以前にも死亡した内縁関係の男性からも青酸化合物が検出されている。このほか、結婚や交際した4人の男性が死亡し、そのたびに多額の遺産を相続しているという。「私がどこから青酸化合物を手にしたのか。逆にこっちに教えてください」と逮捕前にマスコミに反論していた。
結婚や交際相手6人次々不審死
逮捕されたのは筧千佐子(67)で、2013年12月28日に死亡したのは夫の無職、勇夫さん(当時75歳)。自宅で夫が倒れたと千佐子が110番したが、警察が司法解剖した結果、青酸化合物が出た。2人は昨年(2013年)、結婚相談所で知り合い同じ年の11月に結婚したばかりだった。
2012年3月にも内縁だった大阪府貝塚市の男性(当時71)がバイクで転倒して死亡した。このとき千佐子はマンションを相続し、数千万円で売却したといわれ、司法解剖したところ青酸化合物が確認された。だが、千佐子が交際していたのは、この2人だけではない。
千佐子は九州出身で高校時代はまじめで優秀だったという。1970年ごろに結婚したが、夫は約20年後に死亡した。その後はここ10年に結婚や内縁関係を繰り返したが、相手はいずれも1、2年以内に死亡している。
捜査のポイント「いつどこで毒物入手したか」
逮捕前に事件や日常生活などについて読売テレビの記者に語っていた。
――勇夫さんのことは。
「もうこの人で最後ですよ、というくらい安心感のある人でした。(死んで)残念で悔しいですね」
――勇夫さんに青酸化合物が出たことは。
「知らないところで毒のようなものを、健康食品とか、何か体にいいんだよ、と与えられて飲んだことしか考えらない」
――警察について
「指紋とったり、うそ発見器にかけられたり。あっ、犯人扱いなんだだって...」
――青酸化合物は普通には手に入らないが。
「あれって、どんなふうに手に入るんですか。私とはまったく関係ない。天に誓って自信持っていえる」
――なぜ何回も婚活したのか。
「やっぱり、老後をゆっくり穏やかに、それなりの人に頼って、生きていきたいと望んだから」
司会の加藤浩次「今後どんな捜査になりますか」
コメンテーターの本村健太郎(弁護士)「最大のポイントは、千佐子容疑者の犯行が可能だったかどうか、ということです。青酸化合物をいつ、どこで、どのような方法で入手したのか。この接点が出てこないと犯行は不可能だったということになります」
はたして、物証が出てくるかどうか。