マコーレー・カルキンはかつて映画「ホーム・アローン」で悪者相手に大活躍した人気子役だった。その彼もいまや34歳の男盛りだが、フェイスブックに「訃報」が出た。「11月6日(2014年)午前11時ころ亡くなりました。お悔やみ申し上げます」
たちまち世界中に拡散して、「いいね」ボタンが70万件。ウィキペディアの経歴に「没年月日」も書き込まれた。ところが、これが真っ赤なウソ。カルキンはバンドのツアー中で、偽情報であることを写真付でツイッターした。
ファンは慌てて購入
カルキンはおととし公表された写真で、子ども時代とはがらり変わった痩せた顔から、「薬物中毒じゃないか」などといわれていた。これがあったために、今回の訃報も「やっぱり」とあっさり信じられてしまったらしい。
では、いったい誰がこのデマを最初に流したのか。たどってみたところ、昔のカルキンのDVDなどを販売している業者だとわかった。デマを信じてDVDを 買ったファンが相当数いたというから、見事なだまし商法だ。
笠井信輔ニュースデスク「追悼というので、うまく考えましたね。まあ、詐欺めいてますけど」
司会の小倉智昭「本人に対して失礼じゃないか」
中江有里(俳優)「ありえないですよ」
デマ専門サイトがニセ北朝鮮ニュース「わが国の宇宙飛行士が太陽に着陸した」
そしてもうひとつ、「北朝鮮の宇宙飛行士が太陽に着陸した」というバカバカしいニュースもあった。ネットに載った北朝鮮のテレビ画面風の「画像」に、「朝鮮中央通信」をかたって「北朝鮮の飛行士が太陽に着陸して帰還し、金正恩が出迎えた」という文章がついていた。本物の「朝鮮中央テレビ」は重大ニュースのときはチマチョゴリの女性アナが登場するが、ニセものは背広姿の男性だった。
はじめからおふざけのウソニュースなのだけれど、流したのはアイルランドのデマ専門のサイトだ。今年1月からじわじわと広がって、10か月かかってようやく170万人が閲覧したという。専門家によると、ウェブサイトのビジネスは、閲覧によって広告収入が入る。内容の真偽よりも、いかに見てもらうかが重要なのだ。
竹田圭吾(「ニューズウィーク日本版」編集長)「太陽に着陸なんて、1秒でも信じたら、自分の知能を疑わないといけない」(笑い)
小倉「北朝鮮というから、そのいい加減さが面白いから見ちゃうのかもしれない。でも、広告収入のためにデマを流しても罪にはならないのかね」
竹田「カルキンのケースも、これまでもジャッキー・チェンさんとか何度もやられてるんです。そういうものに対する免疫もつけていかないと...」
だまされる方がバカ、というのがネットの法則だ。