ようやく実現した日中首脳会談は約25分と短かったが、戦略的互恵関係に基づいた関係改善に向け一歩を踏み出すことを確認し合った。具体的にはこれから何をどうするのかが見えてこない。
首脳会談は国際社会に向かって「対立解消」をアピールするためのデモンストレーションとしては成功したかもしれないが、両首脳とも国内向けには「こっちが妥協したわけではないよ」という顔をせざるを得なかった。安倍首相も習国家主席も握手を交わしても笑顔はなく、習主席は安倍首相が話しかけている最中に視線を逸らすなど、先行き前途多難が予想される。
これも成果?小笠原諸島周辺「密漁船団」撤収の動き
政治評論家の有馬晴海は日中首脳会談をこう見る。「他の国の首脳と比べ、バッグに国旗もなく儀式的なものでしかなかったですね。習主席がお辞儀をしてニヤニヤして握手をした映像が出ると、中国国民から『何だ』となりかねない。最初から不愛想を決めていたのでしょう」
キャスターの齋藤孝「表情は硬かったですけど、中国の国内向け演出。そう簡単にいい顔はできないぞ、ということもあるのでしょう」
国内向けにニコニコできないというのは安倍首相も同じだろう。
「あさチャン!」は日中首脳会談のニュースに合わせて、小笠原諸島に出没している中国の密漁船団が減ってきているというニュースを取り上げた。海上保安庁によると、先週は200隻近くいた密漁船が10日午前(2014年11月)には50隻減って141隻になっているという。そのうちの76隻が小笠原から遠ざかりつつあるという。これも日中首脳会談の『成果』なのか?
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト