先週7日(2014年11月)、エボラ出血熱に感染の疑いのあるケースが東京と大阪で発生し、陰性とわかったが、浮かび上がったのは「水際作戦」は容易にすり抜けられてしまうということだった。
感染の疑いが持たれた1人は東京在住の60代の男性で、リベリアに1か月いて4日に羽田に着いた。リベリア滞在は申告したが、熱はなかったのでそのまま東京・町田市の自宅に帰った。自宅に戻って2日後に発熱し、近くの病院を受診してしまった。
検疫所・保健所と一時連絡取れず
司会の小倉智昭「陰性でホントによかったんですが...」
山中章子アナ「もし陽性だったら、エボラ・パニックになるところでした」
厚生労働省はエボラ感染地域からの帰国者、入国者は潜伏期間21日が過ぎるまで毎日2回検温し、検疫所に報告するよう義務付けている。また、発熱したら病院へ行くのではなく、保健所などに連絡して保健所の医師らが家に来るという対策マニュアルになっている。
ところが、この男性は発熱すると近くの診療所を受診し、リベリア渡航歴もいわなかった。このため、医師は扁桃腺炎と判断し、男性は家に戻って検疫所にこの旨をメールした。驚いた検疫所が保健所に連絡、保健所が男性に連絡をとったが所在がわからなかった。
男性が受診した診療所もこの時点でようやく検疫所から連絡を受けた。結局、保健所職員が男性の自宅を訪れ、寝込んでいた男性を見つけた。高熱で電話に出られなかったのだという。ネジが緩んでいたのか、自分がエボラかもしれないとは思わなかったらしい。
診療所も渡航歴聞かず
山中「意識が低いとこうなってしまいますね」
笠井信輔ニュースデスク「この男性は発熱後の行動に危機感がないですよね。エボラにかかるわけがないとでも思っていたのか」
診療所の医師は「本人が言わないとわからない」というが、厚労省は全国の医師に「発熱患者は必ず渡航歴を確認するよう」指導していた。
笠井「発熱は全部エボラを疑えということを全国の医師に求めていたのですが、これが行き渡っていなかった」
何度いってもいいだろう。ホントに陽性でなくてよかった。