司会の小倉智昭が「寝不足の方も多いのではないでしょうか。私もそうです」と勢い込んで話す。終わったばかりのATPツアーファイナル初戦で、錦織圭選手(24)がイギリスのアンディ・マレー選手(27)をストレートで破った。「錦織選手は本当に強かった」
破格の『世界最強戦』賞金650万ドル、5つ星ホテルのスイート、アルマーニ...
相手のマレーはロンドン五輪の金メダリストで、錦織はこれまで3戦して全敗だった。しかし、これまでの錦織ではなかった。多彩なショットでマレーを翻弄して第1セットを奪った。第2セットも3ゲームを連取したが、ここからマレーが反撃して4対4のタイに持ち込まれた。ここからの錦織がすごかった。相手のサーブを着実に打ち返し、ゆさぶりと果敢なネット攻撃で退けた。
錦織は試合後、「きょうのプレーに満足しています。今までと違い、アグレッシブになったし自信もついた。去年までのボクとは違います。きょうはすべてがうまくいった」と語った。
この大会はとにかく豪華だ。賞金総額は650万ドル、日本円で約7億4300万円。1次リーグから無敗で優勝すると賞金は約2億4000万円にもなる。年間成績などで上位8人だけが出場できる世界王者決定戦だからだ。テニス界最高の舞台だが、これまでは日本選手に無縁だったから、この大会そのものが伝えられることは少なかった。
今年はジョコビッチ、フェデラーなどが並び、錦織は5位でこれに参加した。日本人ではもちろん、アジアでも初めてだ。大会前のセレモニーは全員がアルマーニのスーツで、宿泊も1泊18万円という5ツ星のマリオット・ホテルのスイートだ。錦織はツイッターで「これから集合写真の撮影。シャープなスーツのアルマーニに感謝」と書いた。会見でも「まるで大統領になったような気分だ」とはしゃいでいた。