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独立リーグ「香川オリーブガイナーズ」痛快監督!ドラフト会議の指名選手次々輩出

   プロ野球はシーズンオフでFAなどの話題が紙面を賑わしているが、ちょっと変わった球団を週刊文春が取り上げている。国内独立リーグの「香川オリーブガイナーズ」で、アイランドリーグplus(四国IL)」で総合優勝を5回している強豪である。

   その日の当たらない独立リーグのチームに、今年のドラフトで小さな奇跡が起こった。東京ヤクルトが4巡目指名のいの一番に、このチームの寺田哲也投手の名を挙げたのだ。寺田はもう一つの独立リーグ「北信越BCリーグ」のチームに所属し、MVPを獲得したが、どこの球団からも獲得の意思表示である「調査書」は届かなかった。今年、香川に移り43試合に登板して6勝4敗6セーブ。防御率2.91でリーグ10位と平凡で、しかも27歳。それなのに寺田のもとにはドラフト前に5球団から「調査書」が届いていたという。

   それは、香川を8年連続で率いている「一風変わった元天才打者」西田真二監督(54)の存在があるからだという。西田はPL学園で78年夏にエースで4番として全国制覇し、法政大学でも日本一、ドラフト1位で広島カープに入団した。現役13年間で規定打席に達することはなかったが、4番を任されることもあり、セ・リーグタイ記録となる4連続代打本塁打を放っている。練習はしないし自分勝手に振る舞うが、その打撃には山本浩二も衣笠祥雄も一目置いていたという。

   その西田が率いる香川は07年から8年連続、ドラフトで17人の指名選手を輩出している。多くは育成枠だが、この数は国内のあらゆる名門チームと比べても抜きんでている。西田の選手指導は変わっている。ひと言、ワンポイントアドバイスだけなのだ。だが、昨年のドラフトで中日ドラゴンズから2位指名を受けた又吉克樹投手は、西田の「もっと真っ直ぐを投げろ」というアドバイスで、140キロ前後だった球速が148キロまで伸びたそうだ。

   西田の凄さはそれだけではない。電話魔で売り込みがうまい。各球団のスカウトへ選手のことを売り込むのはもちろん、落合博満や星野仙一にも物怖じしないで直接売り込む。抜け目なく、なかなかの食わせ者だと筆者の中村計は書いているが、そうでなくては独立リーグの監督は務まらないのだろう。いまのプロ野球にはいなくなった痛快な男である。

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