安倍首相「消費税10%断念」!国民をホッとさせる逆サプライズ作戦
こうした見かけだけの「好景気」を作り出している安倍首相はさぞ鼻高々かというと、そうではないようだ。12月にも判断しなければいけない消費税10%増税を断念し、解散総選挙へと舵を切るという見方が強くなっているのである。
私は安倍首相の動向を知るには、大新聞の奥歯にものが挟まった書き方ではなく、『週刊ポスト』の「長谷川幸洋の反主流派宣言」と『週刊文春』の「飯島勲内閣参与の激辛インテリジェンス」を読むのが一番いいと思っている。この2人は安倍首相のブレーンで、おそらく安倍首相の意向を汲んで、ときどき安倍の本音を流すからである。
今週の長谷川氏のコラムにこうある。安倍政権は再増税を諦めて11月の解散総選挙を考え始めたのではないか。それを強く感じさせたのは10月22日の菅官房長官の会見だったという。これまでは改定値を見て判断するといういい方だったのに、長官は消費税を引き上げるかどうかは国内総生産(GDP)の7~9月期の「速報値」を見て判断するといったのだ。
改定値と速報値では発表時期が異なる。改定値は12月8日、速報値は11月17日。速報値なら臨時国会が開かれている。衆院解散は国会会期中が原則になっているから、改定値を待っていては国会が幕を閉じてチャンスを失ってしまう。それに、増税の凍結延期なら、増税は規定路線だと思っている国民にとって前向きのサプライズ効果もあるはずだとしている。
大新聞もにわかに解散・総選挙があるという見方が主流になってきた。そこで今週の週刊文春は「12・14総選挙緊急予測 120激戦区の最新データ付」という特集を巻頭でやってきた。自民党の現有議席は295だが、選挙でどうなるのか。
小渕、松島のダブル辞任に加えて、他の官僚のスキャンダルが止まらない。それに来年は集団的自衛権、原発再稼働と国論を2分する政治課題が控えている。野党の選挙準備が整わないうちに解散せよという声は自民党内からも上がっているという。解散の大義名分は消費増税の先送りだという。先のように11月17日には7~9月のGDP速報値が発表されるが、当初の想定よりかなり厳しい数字が予想されている。そこで安倍首相は消費増税の先送りを決断。前回の衆院選の公約とは異なるため、国民に信を問うとして解散するというのだ。その場合、投票日は12月14日しかないという。これなら予算編成の遅れを最小限に抑えられるからだ。