房総半島の九十九里浜に1頭でたどりついて話題になったトドがきのう4日(2014年11月)、鴨川シーワールドに保護された。ケガをしているうえ弱っていたため点滴を受け、回復までには時間がかかりそうだという。
トドはこの時期、オホーツクから南下して北海道東岸あたりにいる。本来は群れをなしている動物だから1頭だけというのは珍しい。地元の人たちも「クジラがあがったことはあるが、トドは初めて」という。サメなどに追われて仲間とはぐれ、親潮に流されてきたのではないかと見られる。
鴨川シーワールド「なんとか救いたい」
保護されたトドは体のあちこちにキズがあり、浜にあがってからきのうまでの3日間は何も食べていないため、あばらが浮いてみえるほど消耗している。トドはエサから水分をとるので、食べないと脱水症状を起こす。きのうも朝からほとんど動かず、ニュースを聞いて大勢の人が集まってもおとなしい。子どもたちは「かわいい」「がんばれ」と声をかけていた。
様子を見守っていた鴨川シーワールドの専門家の判断で、午後1時半に捕獲を開始。7人がかりでようやく檻に収容して鴨川へ運ばれた。血液検査では病気はないが貧血気味だった。体のキズはダルマザメに噛まれたものではないかという。点滴をしながら飼育員が24時間様子を見ている。シーワールドにはトドが7頭いるが、これらと一緒にできるかどうかは状況次第だという。
けさのトドの様子について、勝俣浩・副館長は「処置に2時間かかったが、そのあと小部屋に放した後は海岸にいたときと同じ様子です。回復にどれくらいかかるかは、いまのところちょっとわかりません。下手をするとけさは残念なお知らせになるかと、それくらいの覚悟でいました」という。
司会の小倉智昭「かなり危ない状態なんですか」
副館長「そうです。なんとか救いたいんですが...」
名前を付けよう!「となりのトドさん」なんてどう?
小倉「日本では漁場を荒らすので害獣だが、アメリカでは絶滅危惧種なんですね」
深澤真紀(コラムニスト)「子どもの頃は海のギャングと教わったので、怖いイメージだったんですが、弱っているせいか愛嬌がありますね」
デーブ・スペクター(テレビプロデューサー)「サンフランシスコでは観光スポットになっていますよ。(捕獲したのは)まだ名前がないね。『隣のトドさん』てのはどう?」
小倉「ちょっと面白い」
デーブ「長いけどね」
小倉「じゃあ、『トドロ』にしますか」
トドは先頃、富山県沖でも見つかっており、ここまで来ているのは温暖化による環境の変化があるとみられる。