北京に近い重工業地帯の河北省保定市では、めずらしく澄んだ青空が3日(2014年11月)に戻った。北京で7日から始まるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の閣僚会議に向けて、当局が北京市内の大規模な交通規制や河北省にある1000社以上の工場に操業停止、減産を命じたためだ。
しかし、APECが終わる来週後半には、また灰色あの空に覆われた中国から日本上空にありがたくないPM2.5の飛来が本格化する。最近はPM0.5 とかPM0.1といったさらに肺の奥まで到達する汚染物質が危険視されている。
WHO警告「発がんの危険は最高レベル」
新汚染物質は工場の煤煙、発電や暖房用に使われる石油・石炭などの燃料、車の排気ガス、黄砂が混じりあったものだ。PMのPは微小粒子(Particulate) 、Mは物質(Matter)だが、PM2.5で人間の髪の毛の太さの30分の1以下、PM0.1は905分の1という小ささである。WHO(世界保健機関)は「長い間取り込んでいくと発がんの危険は最高レベルに達すると」と警鐘を鳴らしている。
司会の夏目三久「市販のマスクで防げるんですか」
鳥取大医学部の大西一成助教は「フィルターで微小粒子はカットされるが、隙間から漏れて50~60%は体内に取り入れられていく」という。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト