小笠原や伊豆諸島でサンゴの密漁をしている中国船はいっこうに減らない。海上保安庁の巡視船も密漁現場あるいはブツを押さえないと手が出せない。きのう3日(2014年11月)にも212隻もいた。日本の排他的経済水域、ときには領海内にまで入って、摘発の危険を冒してまで密漁しようとするのはなぜか。一攫千金のチャンスがあるからだ。
中国のサンゴ・アクセサリー店のホームページに値段が出ていた。日本産の赤サンゴはわずか9グラムで約240万円である。サンゴ業者は「中国ではまがい物が出回っているけど、うちの店は本物だ。小笠原で採れたサンゴはやはりすばらしい。これまで手が付けられていないところで採れたものだから。値段は1グラム18万円」とぬけぬけという。「採れた」んじゃなくて「盗んだ」んだよ。手を付けてないのは、漁師が大切に守って来たからだ。
中国領海では採取は厳罰!日本密漁で一攫千金
小笠原に来ている漁船には、「?(びん)」という漢字が書かれている。門構えの中に虫と書くこの字は福建省を表す。中国の情報サイト「網易」によると、小笠原諸島周辺に来ている中国船はほぼ福建省の寧徳の漁船だという。ある船長がサンゴの密漁で1か月で2000万元(約3億6000万円)を稼いだという噂が広がって密漁増えたと伝えている。たしかに、小笠原の中国漁船の数は9月15日には17隻だったものが急増している。
「とくダネ!」は寧徳の三沙という小さな漁港からレポートした。たしかに、「?びん」の文字が書かれた船が多い。しかし、地元民に聞いても「サンゴを採る船はいない」という。「警察がいるんだから、そんなことはしない」
近くの電光掲示板に、当局の取締対象として「貴重絶滅危惧種」の動物とならんで、「紅珊瑚」も出てくる。中国では赤サンゴはパンダと同じ保護対象となっている。中国国内では採取禁止なので、日本まで来るというわけだ。
密漁は手がこんでいて、1600万円もかけて船を改装したうえ、仲間の裏切りを警戒して携帯電話の電波を遮断する機器までつけている。ネットには「100万元かけて改装、船員を雇って高額なギャンブル。勝ったら一攫千金、負けたら巨額の罰金と刑罰」なんて記事があった。