<グレース・オブ・モナコ>
ニコール・キッドマンのグレース・ケリー!ドゴール仏大統領と丁々発止のモナコ公妃「女傑物語」

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(C)2014 STONE ANGELS SAS
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   1950年代、セクシー路線のマリリン・モンローとは対極のクールビューティーで名を馳せたオスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)の波乱を描く。

   モナコ公国大公との「世紀の結婚式」から6年が経ち、二人の子供にも恵まれるが、いまだモナコ宮殿のしきたりになじめず、王室の中で孤立していた。そんな時、いくつもの映画でグレースとタッグを組んできたヒッチコックが、新作映画「マーニー」の脚本を持ってやってくる。出演依頼を受けるか悩んでいるときに、シャルル・ド・ゴール政権下の隣国フランスから、モナコに移転したフランス企業から税金を徴収すると圧力をかけてくる。アルジェリア独立戦争で戦費が必要になったのだ。

   両国の緊張は高まり、要求を拒めば、軍隊のない小国モナコはフランスに占領されてしまうかもしれない。この国家存亡の危機に、グレースの相談役のタッカー神父は「あなたは人生最高の役を演じるためにモナコに来たはずだ」と諭す。万策尽きた夫・レーニエ(ティム・ロス)に代わり、窮地のモナコを救うためにグレースが打った秘策とは...。

夢見心地にさせられるひたすら優雅で美しい伝記

   冒頭で「この物語は史実をもとにしたフィクションである」とあり、実際はグレース公妃が国家存亡の危機にどこまで行動したのかはわからない。国を救うにはまずは愛する家族を守る、そのためには本来の自分を取り戻すことと気づき、前向きにチャレンジし続ける姿には共感を覚える。

   残念なのは、映画出演のオファー、夫婦間のすれ違い、フランスからのスパイ発覚などいくつもの難題が持ち上がるのだが、どれもエピソードとしてはコンパクトにまとめすぎていて、映画全体の印象としては何か物足りないことだ。

   現役ハリウッドのクールビューティーの代表ともいえるニコール・キッドマンが、きらびやかなドレスや装飾品を身にまとったその美貌にはやはりほれぼれとする。あえての演出なのだろうが、スクリーンの画質もどこかノスタルジックで往年の名画を見ているような気分にさせてくれる。暗めで重たい作風になることが多い伝記映画とはまた違った、優雅で夢見心地にさせてくれる作品だ。

バード

おススメ度:☆☆☆

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