東京と神奈川の境を流れる多摩川の河川敷に勝手に家庭菜園が作られ、問題となっている。阿部祐二リポーターは川崎市多摩区の堤防の上に立ち、「のどかな川の風景が広がっています。でも、この先には家庭菜園の畑が続いて、その長さは150メートル以上にもなります」と伝える。しかし、これがすべて不法畑なのだ。
白菜、小松菜、ネギ、サツマイモ...
畑では白菜、小松菜、ネギ、サツマイモなどが栽培されている。河川敷は国有地なので耕作することはできず、畑のわきには国土交通省の警告看板が設置されている。国交省関東地方整備局・京浜河川事務所の山田弘幸課長は「一番の問題は権利がなくて耕作をしていること。動物や植物の生育空間が失われてしまうことも非常に大きな問題です」と話す。多摩川河川敷にはこうした不法畑が約130か所もある。
周辺の住民は「畑はおじいちゃんやおばあちゃんが来て、よく手入れをしていますよ。それはいけないことだよと言ても、分かっていると言いながらやめる気配はないですね」と話した。
阿部が取材しているときも、初老男性が農作業をしていた。阿部が「この畑は違法ですよ」と話しかけると、「ここはもともと個人の土地で、数年前に国に売却された。その後、何かの工事を始めるという話だったが、何も始まらないから、工事が始まるまで使わせてもらおうと思った」と話す。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト