日本の伝統技術で作る手漉きの和紙がユネスコの世界無形文化遺産に登録されそうだ。文化庁は昨年(2013年)、島根県の石州半紙、岐阜県の本美濃紙、埼玉県の細川紙を申請し、ユネスコ政府間委員会の補助機関が28日(2014年10月)に登録するように勧告した。
石州半紙は09年に無形文化遺産の登録済みで、優しい風合いから京都の迎賓館の照明にも使われている。1300年の伝統のある本美濃紙や細川紙はまだ登録されていなかった。
「需要少なく、後継者に育っても食べていけない」
無形文化遺産は世界各地の文化・芸能などを保護する狙いで作られた制度で、日本では能や歌舞伎のほか和食が登録され、現在22件に達している。埼玉・小川町の細川紙を作る職人の鷹野禎三さん(73)はきれいに漉く難しさと後継者を育てる悩みを次のように話す。
「1枚でも1000枚でも同じ厚さでなければ商品として売れないんです。それを手作りでやるから難しい。その技術を継承するには後継者を育てる必要があるのですが、需要がないために後継者を育てたとしてもその子が食べていけなくなってしまう。軽々に話ができないんですよ」
キャスターの齋藤孝「日本の文化は『型の文化』だと思いますね。言葉にできない暗黙知、身体の知恵を型を通して仕上げていくところが評価されたと思います」
無形文化遺産への登録が正式に決まるのは11月末という。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト