「Yes We Can」の大歓声とともに就任したオバマ・アメリカ大統領だが、イスラム国への対応やエボラ出血熱感染の不安などが影響し、いまオバマ離れが加速している。来週にはアメリカ議会の中間選挙が行われるが、与党・民主党の候補者も公然とオバマ政権を批判するなど、異例の事態となっている。
もともと、大統領2期目のアメリカ中間選挙は現職大統領に厳しい結果になりがちだ。現在、米議会は上院は民主党、下院は共和党が多数を占め、ねじれ状態となっている。大統領支持率は過去最低で、中間選挙の焦点は与党・民主党が上院で多数派を死守できるかどうか。上院も失うようなことになれば、オバマ大統領は完全にレイムダックになってしまう。
6年前に熱狂的に支持したヒスパニック系住民も「裏切られた」
オバマ大統領が勧めた医療保険制度改革「オバケア」に対しても、「医療保険制度改革は進んだが、個人への支援は何もない」という不満は強い。国谷裕子キャスターは「オバマ大統領が実現した公約は、医療保険改革とイラクからの撤退です。失業率を大幅に改善するなど景気も回復傾向にありますが、国民の期待は薄くなっています」と語る。
オバマ大統領が掲げた移民制度改革は、下院で野党・共和党の反発にあって結論は先送りされた。6年前にオバマ大統領を支持したヒスパニック系住民の不満は強い。「以前と何も変わっていない。期待が大きかった分、落胆も大きいですよ。オバマには裏切られた。私たちを政治的に利用しないでほしい」と怒る。