西アフリカ・リベリアに滞在し、27日(2014年10月)に羽田空港に到着して発熱を訴えた日系カナダ人ジャーナリストの男性(45)は、エボラ出血熱検査で陰性だった。ただ、厚生労働省は発熱症状が出て時間が経っていないことから、エボラウイルスが検出されていない可能性も残るとして、3日間程度入院してもらい様子を見ることにしている。
同じ便の乗客・乗員そのまま帰宅
男性は8月から2か月間リベリアに滞在し、ベルギーを経由してロンドンのヒースロー空港から全日空278便で羽田に到着した。発熱の症状を訴えたため、指定医療機関である国立国際医療研究センター(東京・新宿)に搬送され、血液などを国立感染症研究所で検査した。
全日空278便には乗客190人、乗員16人が搭乗していたが、全日空によるとそのまま帰宅するなど空港を離れた。「あさチャン!」の番組スタート直後に「陰性」という速報が流れ、司会の夏目三久や齋藤孝キャスターは「よかったですね」と安堵の声をあげた。
専門家「水際作戦より、入ってくること前提の準備を」
東京大医科学研究所の野田岳志准教授(エボラ増殖のメカニズム研究)は、「迅速に指定医療機関に搬送し非常に良い対応でしたね。しかし、水際の対策ではなく、(エボラウイルスは)入ってくるという前提で対応を準備する必要があります」と指摘する。
国際便が到着する国内の30の空港では検疫態勢を強化しているが、エボラ出血熱は潜伏期間が2~21日(平均1週間)と長く、その間に検疫態勢をすり抜ける可能性がある。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト