アフリカで「国境なき医師団」の一員としてギニアでエボラ出血熱患者の治療に当たっていた医師のクレイグ・スペンサーさん(33)が、帰国から6日後の23日(2014年10月)にニューヨークで発症した。その2日前、彼はマンハッタンのレストラン、人の集まる公園を訪れ、さらに地下鉄に乗って友人2人とボーリング場でプレーしていた。エボラに関わった医師としてはなんとも不用意な行動だった。2次、3次感染を防ごうと米政府も必死だ。
接触のあった婚約者と友人は隔離され、立ち寄り場所は消毒されたが、公園と地下鉄はどうしようもない。オバマ大都領も「軽く接触したくらいでは感染 しません」と異例のコメントを出したが、感染しないという保証はない。婚約者はきのう26日に退院したが、21日間は監視下におかれるという。
大都会で拡散したら打つ手なし
アメリカで最初の2次感染者となった看護師のニーナ・ファムさん(26)は24日(2014年10月)にメリーランド州の病院を退院した。テキサスで死亡したリベリア人男性を看護していて感染したのだった。看護師の感染は「防護の不備」を示す不名誉なことだったが、それ以上の拡散を食い止め、ニーナさんを生還させたのは、米国医療の勝利でもある。
オバマ大統領はニーナさんをホワイトハウスに招いて生還を祝福し、カメラの前でハグしてみせた。国民の不安を払拭するには巧みなPRが必要だった。大都市で拡散したら、SF映画の世界ではなく、本当に人類滅亡につながる。
ニューヨークなど4つの州では西アフリカからの帰国者は21日間強制隔離する措置を取り始めている。とくにエボラに関わった医療関係者は非感染が確認されている人まで隔離され、トラブルも出ている。「こんなことではボランティアがいなくなる」というのだ。しかし、感染者はこの1か月で倍増し、なかでも医療従事者の感染は450人、死者244人と多い。
日本だったらパニック必至!デング熱騒ぎどころじゃない
厚生労働省は日本への侵入を防ぐため、入国者すべての海外渡航歴の確認を始めた。橋口いくよ(作家)は「パニックが怖いですね」という。
笠井信輔ニュースデスク「日本ではアメリカとは比べ物にならないくらいの騒ぎになるでしょうね。デング熱でもあの騒ぎだったんですから。誰がどこの店に行きましたとなったら、アメリカでは消毒のあと客がたくさん入っていたが、日本だったら店がつぶれるかもしれないですよ」
梅津弥英子アナ「日本では名前を公表するのかどうかもありますね」
司会の小倉智昭「それはあるね」
田中良幸レポーター「公表しないとわからないですよ」
アメリカでは名前も顔も出していた。だから「あの人だ」とわかる。日本だと「Aさん(34)」とモザイクか。アメリカから学ぶべきはこれかも。