誰もいないのに定時にお寺の鐘がゴ~ン。お化けの話ではない。いまや全国約2000のお寺で導入されているという自動鐘つき機の話だ。鳴らす時間と回数をコンピューターにセットすると、撞木に圧縮した空気が送り込まれてゴ~ン。煩悩を払う108の除夜の鐘も自動鐘つき機で鳴らすようになるのだろうか。
人手不足で鐘ついてくれるお弟子さんがいない
導入した群馬県太田市の照明寺の石塚龍雄住職はこう話す。「以前ですと、お弟子さんがいて交代で鐘をついてくれましたが、最近のお寺は住職だけでやっておりますので人手が足りません」
僧侶のなり手が減少し、石塚住職も4つのお寺の住職を掛け持ちしている有り様という。若者に仏教を知ってもらおうと、変わった形で活躍しているお坊さんもいる。この日(2014年10月20日)のコメンテーターとして黒い僧衣に薄化粧のちょっぴり艶な姿で出演したのは、浄土真宗の奈良県龍王山・光明寺の三浦明利住職(31)である。三浦住職は仏教の心を盛り込んだ歌を作詞・作曲して自ら歌って若者に仏教を広めている。
司会の夏目三久「どんなジャンルでもいいんですか」
三浦住職「ロックでもジャズでも...」
三浦住職が人手不足について、「深刻な問題だと思いますが、でもね」とこう反論した。「実は、お坊さんというのはたくさんいるんですね。浄土真宗は3分の1が女性です。潜在力はあるのに、後継ぎがまだ男性のイメージが強いんです。女性のお坊さんに活躍してほしいと思います」
埼玉県春日部市の善巧寺はお堂をライブハウスに改装し、なぜかフルヘルメットの坊さん2人が南無阿弥陀仏をリズムに乗せて歌っていた。「若い人にお寺に来てほしいというのが一番大きいです。その点は大成功」と言う。
その昔、一遍上人は念仏踊りをしながら全国を遊行していた。時代が変わってジャズやロックで仏教を布教するのが良いかどうかはともかく、あってもおかしくない。