エボラ出血熱の感染がヨーロッパに広がっている。スペイン・マドリードのバラハス国際空港に到着したエールフランス機内で、エボラ出血熱の疑いがある乗客4人が発熱を訴え、機体が一時隔離される騒ぎがあった。
けさ17日(2014年10月)の「あさチャン!」の終了直前に入ってきたAP通信の速報によると、乗客・乗員163人乗りのエールフランス機内で乗客4人が発熱などの症状を訴えたため、バラハス国際空港に到着後、機体を特別エリアに移し、医療チームが乗り込んだ。エボラ出血熱の疑いがある4人をマドリードの病院に搬送した。4人は西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱の患者と接触のあった赤十字職員だという。
発症するとあたりかまわず嘔吐、下痢...靴の裏についてウイルス拡散
日本にエボラウイルスが入ってきた時の対応はどうなっているのか。井上貴博アナによると、羽田や成田などの国際空港には2次感染を防ぐ特殊な緊急搬送車が常駐している。エボラ出血熱など最も危険な伝染病患者に対応する指定医療機関は全国45か所、ベッドは88床用意されているという。しかい、エボラ出血熱は特効薬など治療法はなく、解熱剤などで症状を軽減するか、動物実験で効き目がありそうな開発途上の試験薬を試みるしかない。
9月上旬までシエラレオネでエボラ患者の医療活動を行っていた国際NPO「国境なき医師団」の大滝潤子看護師は、「世界中で人々が移動している限り、日本に入ってきてもおかしくない」と指摘しながら、現地の混乱した模様を次のように語った。
「症状が悪化すると歯止めがきかなくなるんです。どこでも吐いてしまったり、どこでも下痢をしてしまう。知らずに人々が靴で踏んで、(ウイルスを)いろんな所へ持って行ってしまう。同僚がエボラに感染し亡くなっていく場面を見て、怖い病気だと実感しましたねえ」
手洗いに防護効果あり
エボラ出血熱患者の治療に当たった経験のある岩崎恵美子医師は、「エボラウイルスは潜伏期間が2日から21日と長いのですが、潜伏期間中は感染力はなく、発熱、頭痛、嘔吐などの発症があって初めて感染力が出てくるんです。普通の石鹸にはエボラウイルスを破壊する効果があります。手を洗うことで防護の効果は期待できますね」
知識は力を与えてくれる。これを聞いて齋藤孝キャスターが「こまめに手を洗うことですね」と確認しながら何やらほっとした表情だった。