後を絶たない「監視カメラ誤認逮捕」不鮮明な映像根拠に自白強要

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   監視カメラは全国に500万台以上設置されていると見られ、その映像が犯罪捜査の重要な証拠となる機会も増えている。しかし、監視カメラ映像による誤認逮捕が全国で相次いでいるという。NHKの調べでは、2011年以降、コンビニ、路上、ATM、ガソリンスタンド、リサイクルショップ、スーパー、パチンコ店などの映像をもとにした誤認逮捕が起きている。

設定時間のズレ気付かず別人逮捕

   今春(2014年)、パート店員の女性は客として訪れたパチンコ店で、別の客がパチンコ台の上に置き忘れた財布を盗んだ疑いで逮捕された。財布を忘れた客の後に座ったのがこの女性で、台の上に手を伸ばすような仕草をしていた。「クローズアップ現代」が検証すると、カメラの画質や設置場所などから、女性が財布を取ったかどうかまでは映っていないはずだが、警察は「何回ビデオを見てもあなたが盗っているように見える」などと自白を迫った。

   しかし、結局は7日後に釈放された。女性が席を離れた後に座った人物が財布をゴミ箱に捨てる映像、や財布を手にする映像があり、真犯人だと判明したのだ。警察は映像を一部しか見ておらず、ずさんな捜査だったと謝罪した。

   犯行現場のカメラの設定時刻がずれていたのを警察が確認しなかったため、違う時間にたまたま映ってた男性を逮捕した例もあった。取材したNHK記者は「ビデオを捜査に活用しているわりには、ずさんな扱いをしている例があると感じる」と話す。

米国ではFBIが専門家養成「映像に見えてるものは事実ではない」

   こうした監視カメラ映像による誤認逮捕はアメリカでも起きていて、映像を分析する専門家を養成している。「最初にわれわれが教えるのは、映像で見えているものは事実ではないということ」とFBIの専門訓練担当官は言う。ビデオは録画の段階で加工されていると考えているべきで、映像のアスペクトが違ったり、コマのスピードが変わったりすることで、見えているものは本来と変わってくる可能性があるからだそうだ。

   犯罪捜査に詳しい常磐大学の諸澤英道・大学院教授には、「指紋や血液型鑑定などは鑑識や専門家が分析、判断しています。映像でも警察を挙げて研究開発を進め、専門家を育て、捜査上のルールも整備するべきです」と語る。

NHKクローズアップ現代(2014年10月14日放送「防犯カメラの落とし穴~相次ぐ誤認逮捕~」)

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