「かんだやぶそば」が火災から1年7か月ぶり、20日(2014年10月)に再開する。「薮」は「更科」「砂場」と並ぶ江戸そばを代表するブランドだが、薮のなかでも「かんだやぶそば」は味とならんで数寄屋造りの店舗が売りだった。新店舗は火災に強い鉄骨平屋(一部2階)となる。
竹藪も提灯も以前のまま
かんだやぶは昨年2月19日、漏電火災で半焼した。建物は関東大震災のあった1923年の建築で、戦争の空襲もまぬがれ東京都選定の歴史的建造物に指定されていた。板塀で囲まれ、入り口が奥まった風情が、すぐ前の靖国通りの喧噪とは別世界を作っていた。
創業130年の味は濃厚な「かえし」が特徴で、作家の池波正太郎も「おつゆが濃いから全部はつけられないわけだよ。先にちょっとつけてスーッと吸い込むと、口の中でちょうどよくなる」と書いている。店内に響く女将の「せいろう4まい、おふたりさ~ん」も名物だ。
きのう15日に営業再開の発表があり、報道陣となじみ客に復活の味がふるまわれた。「とくダネ!」では木下康太郎がアナ訪れ、「おお、きれいになって。外から見える明るい造りになってます」。窓の外には竹の植え込みがある。「以前の行灯もあります」木下は火災のときに現場でリポートしていた。映像には行灯も写っていた。出火当時従業員と客約40人がいたが、午後7時という時間帯でけが人はなかった。しかし、営業は続けられなかった。
営業時間延長。店内はバリアフリー
試食した木下は「うん、ぴりっとしたつゆが」などとわかったような口をきいていた。常連客は「待ちこがれた分、数段おいしかった」
新店舗は入り口が奥まった造りはかつての面影を残すが、板塀にかわって低い垣根と生け垣で全体に明るくなった。
司会の小倉智昭「始めて行ったのは47、8年前。大学の先生がそば好きで、よく連れて行ってくれたんです。だから火事はショックでした」
木下「味の方は常連さんが大丈夫といっていました」
従来と変わったのは営業時間が午後9時までと長くなったこと。2階の個室部屋20席は完全予約制だ。店内はバリアフリーになった。
小倉「しばらくは混むんだろうね」