青色LEDの開発、実用化に貢献した日本人3人がノーベル物理学賞に選ばれた。「以前に話題になったのが、中村さんの対価に対する裁判です」と司会の羽鳥慎一が取り上げた。
特許法改正でもあいまい相場
受賞者の一人、中村修二カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授は、日亜化学工業社員だった1990年代に青色LEDの量産化技術を確立した。その後、自分の発明が会社に604億円の利益をもたらしたのに、報奨が2万円しかないことを不満として、01年に対価を求める訴訟を起こした。科学ライターの緑慎也氏は「2万円は当時の発明に対する対価として一般的だったらしい」という。
しかし、04年に東京地裁は会社側に200億円の支払を命じた。会社側はこれに対して、8億4000万円を支払うことで和解した。この影響を受け、報奨制度が整備されたが、最近は特許法の改正でまた状況が変わりつつあるという。みどり氏はこう解説する。
「以前は発明者は個人に限られていましたが、法人も発明者として認められるようになったんです。そのかわり、(発明者に)対価を払うことになりつつあるが、どれぐらいの対価になるのかがわからない。発明者にとってはちょっと辛い状況からもしれない」