シリアなどで支配力を強めている武装勢力「イスラム国」の戦闘員になろうとしたとして、「私戦予備および陰謀」の容疑で警視庁公安部から事情聴取を受けているのは北海道大学の学生は、特段の思想的・宗教的背景があるわけでもなく、きっかけは「就活がうまくいかなかったから」とも語っている。
コーランの知識もなく、ただのミリタリーおたくの現実逃避
北大生に同行取材するはずだったフリージャーナリストの常岡浩介氏は、今年8月(2014年)に合っていた。このとき、北大生は「僕は一般的なものが好きではないので、戦場だとか特異なものに行ってみたい。国内にいても、あと1、2年先には自殺するつもり。それならば、他国の地で死ぬのもいい。日本と違う文化を持つ国なら、新しい出会いがあるかもしれない」と話していた。
常岡氏は「彼には現実感がありませんでした。むしろ現実逃避をしたいという感じでした。コーランの知識はゼロで関心がほとんどなく、ミリタリーおたくという印象も受けました」と語る。
アジアから1000人近い若者...ほとんどはムスリム教徒
コメンテーターの宮崎哲弥(評論家)「イスラム国は欧米など世界中から志願兵をリクルートしているんです。アジアからも1000人近い若者が渡っていると言われています。でも、その中心はムスリム教徒で、イスラム教に関心がない日本の若者が戦闘に参加しようとするのは考えられないですね」
宮崎はさらにこう言う。「アベノミクスで景気が良くなっているというが、世の中の心理は不安定です。現実逃避をしたいという若者が増えています。これからもこの大学生のような若者が出てくる可能性はありますよ」
実際にこの若者が「イスラム国」に合流していたらどうなっていただろう。追い返されるか殺害されるかだろう。