「イスラム国」の戦闘に参加しようとしたとて、警視庁公安部が私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取を受けた北海道大の男子学生(26)は、きっかけは東京・秋葉原駅近くの古書店に張られた求人広告だったが、以前にこう話していた。「大司教と呼ばれる方がおられて、その人は昔から知っていて、その人が経営している店(秋葉原の古書店)に張り紙があった。(その張り紙を見て)何これ、面白そうだねというのが経緯だった」
「勤務地:新疆ウイグル自治区、職種:警備員、暴力に耐性ある方、思想チェックあり」
古書店の求人広告にはこんな文言もあった。「勤務地:シリア、詳細:店番まで」「勤務地:新疆ウイグル自治区、職種:警備員、資格:日本国籍、給与:15000元、備考:中国語有用、暴力に耐性のある方、面接時思想チェックあり」
古書店の店員は「この広告を見て聞いてきた人は何人かいるみたいですが、具体的には知らない」と話している。この大司教とはいったい何者なのか。北大生はその大司教の手引きで7月上旬(2014年)に上京し、都内のシェアハウスでイスラム教に入信するなどシリア行の準備をした10月7日に出発予定のシリア行の航空券も用意していた。
一歩間違えれば日本の外交問題
北大生と8月に接触し取材の同行も考えたことがあるというジャーナリストの常岡浩介氏は、「彼はイスラムの知識も関心もなかったし、イスラム国への軍事的興味もなかった」という。シリア行の動機については「破滅願望。自殺願望。シリアが必要だったわけではなくて、自分の現状から逃げたい逃避行動なんだろうと思う」と話す。
齋藤孝キャスター「自己中心性を感じますね。日本の外交問題に発展することを考えないで、自分がやりたければいいだろうと。学力はある程度あるのだろうが、情緒面の価値判断力が欠けています」