御嶽山の噴火で犠牲になった47人の身元はきのう2日(2014年10月)までにすべて確認されたが、ふもとの対策本部にはなお19人の不明者の家族が捜索を待っている。
御嶽山一帯は噴火後初めて降雨があり、捜索も中止されたままだ。きのうからけさにかけての雨量は40ミリを超えた。捜索にあたった自衛隊員らによると、山頂付近の視界は悪く、気温も0度近くまで下がったうえ、有毒ガス検知器の警告音がところによっては鳴りっぱなしだったという。雨や霧で湿気をもった火山灰は固まって、ヘルメットやゴーグルに粘りつき、行動にも支障が出たという。地上に積もった灰も重くなり、歩行もしにくくなった。下山した捜索隊員はみな火山灰まみれだった。
今夜からあすにかけて30ミリ予想!台風18号も接近
犠牲者の遭難当時の様子もわかってきた。長野・池田町の野口泉水さん(59)は噴火直後を写真に撮っていた。噴煙を頂上から見下ろすような映像で、頂上の御嶽神社の社務所の脇を逃げる人も写っている。「こんなもの撮ってないで早くにげたらよかったのに」と妻は語る。
諏訪市の荒井真友さん(49)は自分のリュックサックを小学生の女の子の頭に乗せてかばい、自分は頭に噴石が当たって倒れたという。一緒にいた友人の話として、父親の寿雄さん(72)が語った。10分ほど真っ暗になって、明るくなったとき荒井さんは意識がなく、下半身は火山灰に埋もれていたという。
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「噴石のスピードが270キロというでしょ。ボクは野球で140~150キロのボールは知ってるが、それで小型バスくらいの石が飛んでくるなんて想像がつかない。そんな中で女の子をリュックでかばう。なんて素晴らしい」
司会の羽鳥慎一「まだ20人近くが残されているといいます」
吉永みち子(作家)「今夜からあすにかけてまた雨が降るんでしょう?」
予報によると、今夜からあすにかけてさらに最大30ミリ程度の雨が予想されるという。国土交通省は沢筋の10か所に監視カメラを設置して土石流の警戒にあたっているが、来週初めには台風18号が接近する。残る不明者の捜索はさらに先になるのか。