御嶽山の山頂周辺には安否の確認が取れていない登山者がまだ10数人いるとみられているが、捜索活動が雨で阻まれている。けさ3日(2014年10月)も雨で山頂付近の視界はゼロ、捜索活動は中止となった。
さらに、大型で非常に強い台風18号が進路を日本列島に向け、週明け6日未明には近畿、東海地方にもっとも接近する見通しで、火山灰で覆われた御嶽山で土石流発生の心配が出てきた。
火山灰含んだ「重たい水」一気にふもとに...
普通は山に降った雨水は地面に浸透する。しかし、火山灰に雨が降ると粘土状になり雨が浸透せず、樹木や土石を巻き込んで土石流が発生する。森林総合研究所の落合博貴企画部長は「火山灰に雨水が混ざると重たい水になり、発生する水圧も大きくなります。結果的に遠くまで流れ下るような現象を起こします」という。土石流が発生したら被害は大きいというわけだ。1991年の雲仙・普賢岳噴火では1200棟の家屋が被害にあった。
見守る家族たち限界...「疲労と極度の緊張」
長野県警によると、噴火のあった先月27日に登山届を出した登山者は303人おり、そのうち5人といまだに連絡が取れていない。ほかにも安否がわからない登山者が10数人いると見られ、現地の災害対策本部で家族たちが捜索活動を見守っている。
これら家族の健康状態を心配しているのが、コメンテーターの香山リカ(精神科医)だ。「いまはまだ『早く見つかってほしい』と気を張った状態ですが、それにも限界があります。長引くと家族の方たちの心身の健康状態が心配になってきます」
捜索活動はあすあさっての天候がカギになりそうだ。
文
モンブラン