北海道警は1日午後(2014年10月)、祖母(71)と母親(47)を刺殺した殺人容疑で北海道南幌町に住む高校2年の三女(17)を緊急逮捕した。事件があったのは札幌市中心部から30キロほど離れた閑静な住宅街で、1日未明に帰宅した長女(23)が祖母と母親の遺体を見つけ110番通報した。
警察は当初、室内が荒らされていたことから強盗殺人事件を視野に捜査していたが、離れにいた高校2年の三女(17)がこの日午後になって「私がやった」と供述した。供述通り凶器の刃物も自宅から5キロほど離れた公園内で発見された。
同級生の信頼厚く成績も優秀
三女は次期生徒会長に内定するなど、生徒からの信望も厚く、先生から高い評価を得ているという。西村綾子レポーターによる、一家は祖母、母親、長女、それに三女の母子家庭で、近所の住民の話では「穏やかな感じの人たちでトラブルがあったとは聞いていない」という。
三女は1年生の時はテニス部に所属し、英語が得意で今年1月には1週間の短期留学も経験した。高校の教頭は「生徒会の執行部にいて次期生徒会長になる予定でした。成績もよく生徒からの信望もある。先生方からも非常に評価されていました」「事件のあった当日は中間テストがあり、朝は普通に通ってきて、私が玄関前に立って生徒たちを迎えた時も普通に挨拶して通り過ぎて行きました」と話す。
門限5時厳守―担任教師も厳しさ認識
動機などは一切不明だが、気になるのは近所の住民の次のような話だ。「祖母は厳格な人で、たいへん真面目なおばあちゃんです。お子さんたちにきちんと躾をしていると聞いたことがあります」。門限は夕方5時で、それまでに家に帰っていないといけない。高校の担任教諭も躾が厳しいことを認識していたという。
キャスターのテリー伊藤「こういう事件だと、少女をかばいだてするかもしれないけど、そんなに家族が嫌だったら家を出ればいいんですよ。17歳はいっぱしの大人なんですから。立派な家に住まわせてもらい、留学までさせてもらい、感謝しなければいけない。本当にどういう子なんだと思いますね」
たしかに、祖母や母親を殺める勇気があるなら、家を出る勇気はあっただろうし、その前に学校に相談する手もあったのではないか。もっとも、躾が厳しい厳格な家庭ほど、家庭内のことは外に出さない傾向がある。内科医のおおたわ史絵は「10家族あれば10通りの暮らしがあって、外からはわからないものが渦巻いていることが多いと思います」という。「ただ、若い人の間で、人を殺めるハードルが非常に低くなっている傾向があるのではないでしょうか」