登山者に伝わっていなかった「御嶽山の異変」解説情報出ていたが警戒レベルそのまま

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   御嶽山の噴火はどのように起こったのか、なぜ予知は難しいのか。「クローズアップ現代」が専門家の分析・解説を緊急報告した。名古屋大学地震火山研究センターの山岡耕春教授は「まず水蒸気爆発が起こったのでしょう。巻き上げた火山灰が横に広がり、どんどん勢いを増して大きい岩石も巻き上げたと見られます。登山者の被害を大きくしたのは、この岩石が直撃したことによります」と語った。

   信州大学理学部の三宅康幸教授は「噴火の灰を解析しました。灰には地下のマグマの成分が含まれていないことが判明し、水蒸気噴火であることがわかりました」と言う。

山頂付近で地震頻発していた

   水蒸気噴火は予測が難しいといわれているが、今回は事前に異変が捉えられていた。山頂付近で地震が頻発し、気象庁は御嶽山に何らかの異変が起こっていると解説情報を発表し、火山活動への注意を促していた。気象庁の担当者は「噴火に至る現象ではないと判断しても、通常とは違う現象が起こった場合には、皆様にお知らせする必要があるということで発表した」と会見で語っている。

   しかし、多くの登山者は情報を知らなかった。現場を取材したNHK社会部の加藤大和記者は「噴火の危険がある場合、気象庁は火口周辺警報などで警戒を呼びかけ、噴火警戒レベルを発表します。今回は解説情報は発表されていましたが、警戒レベルはそのままでした」と伝える。

   山岡教授「今回は地震を観測した時点で噴火が起こるかもという想定はありました。しかし、その後、活動が収まってきたのでそのまま収まるかもしれないというところがありました。嫌な予感はあったが、それが毎回当たるというものでもありません。警戒レベル上げなくても異変を伝えられる仕組みを作ることが必要です」

   加藤「でも、解説情報は登山者や住民に伝える手段がありません。最悪の事態をよりイメージしやすいものにして、登山者にも伝わるものにもするべきです」

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2014年9月29日放送「緊急報告 御嶽山噴火」)

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