きのう28日(2014年9月)に千秋楽を迎えた大相撲秋場所のヒーローは21歳のザンバラ髪、逸ノ城だった。初土俵からわずか半年で新入幕、おまけに2大関と横綱鶴竜まで破って13勝をあげ、殊勲賞、敢闘賞をダブルでとった。強さの秘密は太ももだという。
「優勝決定戦で横綱ともう1回やってみたかった」
とにかく初日から白星を続けて、7日目に勢に敗れただけで、大関、横綱に連勝だから国技館も湧いた。1敗同士の対決となった14日目の横綱白鵬戦が今場所の白眉だった。さすが白鵬、貫禄で転がされてしまったが、千秋楽では安美錦を危なげなく破って2敗をキープし、なお優勝に望みをつないだ。もし白鵬が負ければ優勝決定戦となる。さらにそれにも勝てば、新入幕優勝という100年ぶりの記録になるところだったが、白鵬が鶴竜を破って31回目の優勝となった。
しかし、初の幕内15日間を聞かれて、「楽しかったです。思ったより人がいてびっくりしました」なんていう。白鵬についても、「横綱と対戦したのがうれしかった。(決定戦で)もう1回やってみたかった」とこともなげにいう。
とにかくでかい。192センチ、199キロ。おおきいだけでなく、懐が深く動きもある。敗れた大関、横綱もろにぶつかっていったところを変わり身で倒されている。上位力士も半ば自滅という観がある。遠藤らと並んで大相撲の次の世代を背負っていくことは間違いない。
モンゴルの遊牧民の出だ。馬に乗って、ヒツジやヤギを追っての生活である。モンゴル相撲で優勝したこともあり、柔道もやった。2010年に鳥取城北高校に相撲留学して、13年の全日本実業団選手権で優勝して大相撲の幕下15枚目格付出資格を取得した。昨年、湊部屋に入門して、今年1月が初土俵。今場所が5場所目だった。
白鵬「こんなのがいたの!?恐ろしいな」
「来たときから太ももが太かった。なんだこの太ももはと思った」と城北校の石浦外喜義監督はいう。白鵬も彼を見て「こんなのがいたの。恐ろしいな。俺がやめる頃に(横綱に)来るんじゃないの」といっていたとか。それがまさかまさかで、今日に至った。
では、どうやってその太ももはできたのか。秘密をうかがわせるビデオ映像があった。少年たちが子馬を追いかけて捕まえている。首にかじり付いて次にはなんと足払いで馬を倒していた。自分の体より大きい馬を次から次にねじ伏せ倒している。いやはや。
司会の羽鳥慎一「これで自然に稽古してたわけ? いままでのモンゴルの力士は都市部の方なんですね」
青木理(ジャーナリスト)「逸ノ城関みたいな人がもっといる可能性がありますね」(笑い)
石原良純(タレント)「これが日常なのね」
赤江珠緒キャスター「内股かけてますよ」
こんなのが次々に現れたら大相撲はどうなる?