噴火を続ける御嶽山の山頂付近にはけさ29日(2014年9月)も27人が強い有毒ガスに阻まれ下山できないでいる。噴火に巻き込まれた登山者の中には、山岳ガイドとして登山客を案内していた田村茂樹さん(31)もいた。火口から3キロほど離れたところで噴煙を確認してカメラに収めていると火山灰が降ってきた。
「水を含んでベタベタしセメントのようだったですね。噴火5分後には昼だけど真っ暗で、ヘッドランプをつけても自分の足元しかわからない中を8合目の避難小屋までみんなと逃げました。案内した人のなかには、命の危険を感じた、死ぬと思ったと言っていた人もいましたね」
さすがに山岳ガイドらしく、冷静に案内して避難できたようだ。
逃げのびた登山者「山小屋に避難してからも熱風のためサウナ状態」
友だちと登っていた黒田晃敏さん(39)は下山を始め200メートルほど下ったところで地響きとともに山頂から煙が上がった。その模様をカメラに収めた。「やばいよ、これ」「避難小屋ってどこ?」「あそこだ、行こう」
ところが、あっという間に噴煙があたり一面を覆い、「間にあわん」「口隠せ!」。誰かが火山灰を吸い「ゴホッ、ゴホッ」と咳をする声。直後、噴煙で真っ暗になり撮影は1分29秒で終わった。黒田さんは「やっと9合目の山小屋に避難したが、小屋でも熱風のためサウナ状態で息もできなくて、ここで死ぬんだと思いました」という。その後、噴煙が収まったのをみはからって下山した。
冷静に対処できた人ばかりではない。なかには小中高生を含む17人のグループで来て噴火にあい、バラバラに逃げて、小学生と高校生を含む4人と連絡が取れないと不安で話す男性もいた。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト