まあ、あきれた人間もいるもんだ。テーマパークのドッグランに犬を置き去りにして、あとで手紙を寄こして「よろしく」だと。しかし、捨てる神あれば、拾う神あり。話が報じられたことで新しい飼い主が現れて、ワンちゃんは引き取られていった。めでたし、めでたしといっていいのかどうか。
駐車場じっと見つめて待つ「12歳のシーズー」
今月14日(2014年9月)、千葉・袖ケ浦市のテーマパーク「東京ドイツ村」のドッグランにシーズー犬が1匹置き去りにされていた。犬は金網の前で駐車場の方向をじっとみつめていたが、飼い主は戻ってこなかった。
パークの係員が面倒をみていたが、数日後、思いもよらない手紙が届いた。犬の飼い主からで、「ドッグランのスタッフの皆様へ 私どもの家族を置き去りにしてもうしわけありません」と書かれていた。置き去りにした理由を「犬を飼ってはいけないところに引っ越してしまい」、もらい手を探したがみつからない、自分たちが引っ越すかどうかという事情を述べて、「可愛そうだけど保健所しかないね」。ドッグランで他の犬と遊んでいる姿を見て、「保健所よりは」と置き去ったと書かれていた。
「名前はカール、5月28日生まれの12歳です」「少し心臓が悪いので、このお薬を飲ませてください」ともあった。「わんちゃんランド」の係員は「悔しいです」という。
新聞報道され新たな飼い主...はたしてこれでい良かったのか
この話がおととい24日の新聞で報じられると、2日間で全国から50件近くの問い合わせがあった。きのう直接パークを訪れた女性は「むかし飼っていたシーズーに似ているんです。生まれかわって引き寄せてくれたのかな」と引き取りを希望し、カメラの前で抱いて帰って行った。
司会の羽鳥慎一は「よかったですねぇ」という。しかし、吉永みち子(作家)は納得できないようだ。「12年も飼われて、かわいがられていたんでしょうに。高齢になって病気や入院ということもある。面倒を見てくれる人がいないと、保健所へもっていくしかないという切ない話になりますよ。
一方で、犬がいると散歩にいったりして元気になるんだけど、そういうことになるかもしれないから飼えないねと思っちゃう人もたくさんいますよね」
羽鳥「吉永さん、犬を飼ってますよね」
吉永「自分の方が先に死んじゃうと思うと...。そういうとき、保健所だけでなく、なんかがほしい」
羽鳥「これを見て、元の飼い主がどう感じているんでしょうかね」
金網の前で、飼い主をじっと待つ寂しそうなカールの写真が出た。
吉永「報じられたからこうなったけど、報じられずに寂しい思いをしている犬がどれだけいるか」
保健所で殺処分される犬の数は減ってはいるものの、2012年度で3万8447頭もいる。