12日(2014年9月)から東京都多摩市で建築中の家への放火が6件も続いている。いずれも半径1.5キロ内だ。現場は多摩川沿いの京王線・聖蹟桜ヶ丘と小田急線・永山との間に広がる丘陵地を切り開いて作られた新興住宅地。近くにゴルフ場もあれば大学もあるオシャレな住宅地で、ここ数年は1戸建ての建築があちこちで続いている。
油まき、設置消火器も移動する悪質手口
住民からの通報で消防車が駆けつけるさまがカメラに捉えられていた。建設中の住宅5棟のうち1軒が燃えている。消防車15台が出動した消火活動のかいもなく家は全焼した。隣接するやはり建設中の1戸の外壁も焼けた。11月には完成する予定の家だった。
地元自治会の人は「きょう消防署で対策会議があって、危ないところがあるんだと言っていました。まさにその家です」と話す。現場は夜になるとほとんど人通りがなく、わずかに外灯があるだけだ。
警察によると、犯行は徐々にエスカレートしているという。1軒目を除いて現場には油がまかれていたといい、まいた範囲がだんだん広くなっているのだ。また、初期消火を遅らせるためか、現場にあった消化器が移動してあるなどかなり悪質である。
5件目までは発生が午前2時、3時だったため、警察・消防も深夜の巡回を強化し、建設業者も防犯カメラを設置したり不寝番を置くなど防衛策に必死だ。6件目だけが午後9時と宵の口だったのは、こうした警戒の裏をついたとも見える。
警戒中の警察・消防の裏かき犯行
現地を見た犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「犯人は下見に来ている。昼間、作業服やスーツで出入りしても不動産・建築関係者に見えるから、 不審に思われません」という。
放火された6軒はいずれも交通量のある大通りからはずれ、狭い路地を通る入りくんだ先にある。地元の人も知らない。「犯人は日頃から目星を付けていたのだろう」と小川氏はいう。
司会の羽鳥慎一「建築中の家を...というのはホントに悪質ですよね」
前田典子(モデル)「無人だし侵入しやすいし」
取材したレポーターの所太郎は「2階から出火したりもあります。はじめはボヤ程度だったのが、全焼が増えているのは油をまいているから」という。ただ、油がガソリンなのか灯油なのかは警察は公表していない。
犯人像について小川氏は「ここに住む人間でしょう。午前2時、3時ということは、行動にはぎりぎり。4時になると新聞配達が動き出しますから。犯行が3時 だった場所に近いところに住んでいるでしょう。1件目以外は全部2階から火が出ていますが、それだけ火が大きくなるからでしょう」
石原良純(タレント)「まだ続きますか」
小川「きょうあすはないと思うが、場所を変えてやるかもしれないですね」
新築をねらうというのはなんだろう。自分は家を建てられない者のねたみか。心の闇は夜の闇より暗そうだ。