スコットランドの独立をめぐる住民投票が18日午後10時(日本時間19日午前6時)に終わった。出口調査では賛成46%、反対54%%と、事前の世論調査より差が大きくなっていた。民族主義は根強いものの、生活がどうなるかという実利判断が優先したようだ。
キャメロン首相は大幅な権限移譲を約束
ロンドンの及川大地記者によると、そもそも住民投票を認めたキャメロン首相の責任を問う声が高くなっているという。一時、賛成派が反対派を上回る数字が出たことで、大幅な権限の委譲を約束しており、独立しなくてもスコットランドの自治権が広がるのは間違いない。「実質は賛成派の勝利」と及川記者はいう。
一方、スコットランドのエジンバラにいる横地明子記者は、独立賛成派が集まるパブの前にいた。投票が締め切られた午後10時に、テレビがサッカーの試合から政治番組に切り替わると大歓声があがった。しかし、出口調査の結果が伝わると、空気は不穏になり、いざこざもあったという。
スコットランド事情に詳しい関東学院大の小林照夫名誉教授は、「独立しなくても、医療や福祉などで議会の権限を拡大する約束をとりつけているから、スコットランドの発言力は増すでしょう。最大限の自治を獲得するのではないか」という。
投票権を16歳まで引き下げ
小松靖アナ「負けても勝ったのと同然だということですかね」
飯田泰之(明治大准教授)「民族運動ではないので、民族のアイデンティティーでは数字は伸びていなかった。もともと保守党政権への支持が低く、納税額は全国平均よりは高い。これを保守政権が握っていることへの不満が主です。自治権の拡大を得られれば、賛成派の勝利といっていいでしょうね」
今回は投票年齢を16歳から(通常選挙は18歳から)とした。イングランドへの反発が強い若年層を入れてという賛成派の政治的判断だったが、思うような結果は出なかったということらしい。
吉永みち子(作家)「若い人たちも自分たちの将来のことを深く考えたのではないでしょうか」
飯田は「日本でも住民投票では16歳からにしていいんじゃないか」といった
が意味は不明。
「Are you British?(イギリス人か?)」と聞いたら、「No, I am Scotish(いや、オレはスコットランド人だ)」というのに出会った人は多いはず。「日本人か」と聞かれて、「おれは会津だ」「道産子だ」と答えるようなものだ。人口わずか350万人で独立となるとますます理解しにくい。民族とはそういうものらしい。