たとえば、塀に落書きを見つけたとする。役所に知らせるのも面倒だし、知らせてもどうせすぐには動かないだろう。あなたならどうしますか。これに千葉市が出した答えが「ちばレポ」というんだそうだ。全国初。きのう16日(2014年9月)から始まった。
落書き、雑草、道路の段差...なんでもあり!
「ちばレポ」はスマホで使う無料アプリの名前だ。これをダウンロードしておいて、何かを見つけた時に写真や動画に撮って、地図で場所を示して、コメントをつけて市役所に送る。
落書きの通報でも、道端に雑草が生えているでも、なんでもいい。市民が身近な問題を市に投稿する。それを見て市が対応する――いたって簡単なシステムだ。投稿するときは、問題点を「道路」「公園」「ゴミ」「その他」に分類する。それぞれの担当者が確認して優先度に応じて対応する。
土木事務所の担当者のパソコン画面には、歩道のタイルがはがれた写真が送られてきた。メモには「敷石に段差があります。子どもがつまずき危ない」とあった。担当者は「写真で見えるので、現地調査の手間がはぶけるのがメリット」という。
市民に聞いてみると、「便利だと思います。意外と簡単」「(問題があっても)どうしていいかわからなかったので、こういうのがあると助かります」とおおむね好評だ。金親芳彦・市民局長は「市役所がなんとかするのではなく、市民の力で街を良くするような、そんな街にできたらいい」と市民の積極参加に期待する。
全国の自治体に広がりそうなナイスアイディア
小松靖アナ「画期的ですね」
萩谷順(法政大学法学部教授)「これはアイデアですよ。市民のいら立ちをうまく解決しただけでなく、神戸の事件(小学1年の女児不明)みたいな警察の犯罪捜査への通報にも使えるんじゃないか」
赤江珠緒キャスター「細かいニーズとか声を拾えますよね」
実際に届いているものをみると、「道路標識が曲がってる」「公園の植え込みが道路まで伸びて視界をさえぎっている」「公園のベンチが破損している」などなど。写真があるから一目瞭然だ。
小松「勇気あるなぁと思います。処理しやすいかもしれないが、件数は増えるでしょうね」
宇治原史規(タレント)「市が立派ですよ。いわば千葉市に対する文句が入ってくるのを受け入れようという姿勢がいい。通報って意外とハードルが高いですが、これなら手軽にできます」
市でも警察でも、知らせるのは結構面倒なものだ。どこに電話して、担当はどこだとたらい回し。それがスマホのメッセージですむ。スマホのアドレスがあるからインチキやいたずらはできない。災害時の危険箇所の呼びかけもできるかもしれない。
スマホと使いやすいアプリを発想したところがすごい。住民をアクティブにさせること、これがねらいだというから立派だ。あっという間に全国区になるだろう。