古舘伊知郎の硬骨「河野談話は朝日新聞の吉田証言虚報とは無関係」
一部週刊誌で朝日新聞問題を取り上げないと批判された古舘伊知郎の「報道ステーション」だが、この日は従軍慰安婦問題の吉田証言について長時間の検証をしていたのは、見応えがあった。
河野談話に対して吉田証言がどれほどの影響を与えたのかという点が中心だったが、古舘が「談話は吉田証言を根拠にして作成されたものではない。いろいろな形での強制性はあったと考える」と強調していたところに古舘の意気込みが感じられた。
この検証の中で一番感心したのは、この河野談話作成に大きく関わった石原信雄氏(元官房副長官)のぶれない発言だった。石原発言は安倍首相ら右派連中が石原証言の都合のいいところをつまみ食いして、河野談話見直しを声高にいっているが、石原氏はハッキリこういっている。
「河野談話作成の過程で吉田証言を根拠にして強制性を認定したものではない」「慰安所の設置や運営に軍が深く関わっていたことは事実」「慰安婦たちの聞き取り調査などによって強制性はあったと認めた」などなど。
これによって、河野談話は吉田証言など端から信用していなかったこと、従軍慰安婦に軍が深く関与していたこと、多くの資料や聞き取り調査で「強制性」があったと認めていたことが歴史的証言として定着したのだ。
安倍首相は朝日新聞の誤りをあげつらうのではなく、河野談話の精神を引き継ぎ、日本の過去を謙虚に反省して日韓関係の次なる未来をつくろうと朴槿恵大統領に申し入れる『大人の対応』を取るべきある。今度は安倍首相の器が問われることになる。