「お父さんに53キロ級で金メダルを見せたかった」
ウズベキスタンで11日(2014年9月)に行われたレスリング世界選手権4日目、女子53キロ級に挑んだ吉田沙保里選手(31)が優勝し、これまでの55キロ級に続き五輪、世界選手権あわせた15大会で連続世界一を達成した。
決勝戦えるか!?準決勝戦で左肩肉離れ
初戦の中国選手を2分41秒でフォール勝ち、準決勝ではカナダの選手を得意の高速タックルで倒し49秒でフォール勝ちした。ところが、この準決勝でアクシデントあった。栄和人監督によると、左肩に肉離れを起こし決勝戦をどう戦うか悩んだという。
相手は昨年の世界選手権で決勝戦を戦ったスウェーデンのマットソン選手で、昨年、一昨年とヨーロッパ選手権で優勝している強豪だ。「まず勝つということで、最初は攻めをセーブ」(栄監督)し、第2ピリオッドで一気に攻めて6‐0の判定勝ちして金メダルを手にした。
体重を2キロを減らして53キロ級に挑んで、体にどんな影響があるのか。栄監督は「年齢がいってから体重を下げるのはかなり大変なんです。吉田選手は体重が軽くなると腰高になってしまううえ、動きが鈍く感じるようだ」という。
伊調馨も金!それでも不満「100点満点中45点かな」
吉田と同じく五輪3連覇中の伊調馨選手(30)も世界選手権9度目の金メダルを手にした。伊調もこれまでの63キロ級から58キロ級に落とした。伊調は体重が減りやすい体質に苦しみ、これまでの63キロ級を58キロ級に変更した。危なげなく勝ち進み優勝したが、試合運びに不満が残ったのか「100点満点中45点かな」と自ら辛い点数をつけていた。
トライアスロンが趣味という弁護士の菊池幸夫が「世界選手権で何回も勝っているスポーツ選手は燃え尽きてもおかしくないですよね。この2人はお互いに刺激剤になっているのかなと思いました」と超人ぶりに感心していた。