列島各地が異常な大雨に襲われた。気象庁の記録的短時間大雨情報が、おとといからきのう(2014年9月10~11日)にかけて2日間で19回も発令され、北海道も西日本も水浸し、川では濁流が暴れ回った。この夏から繰り返されてすっかり常態化したような「瞬間豪雨」の災害はいつまで続くのだろうか。
石巻のインターネットカフェ「店内に流れ込んでから5分で足首まで」
7分でずぶ濡れになったマンガ喫茶の床、マンホールからは水が噴き出し、駅階段はまるで滝だ。異様なばかりの「瞬間豪雨」をとらえた映像が続く。気象庁は「重大な危険が差し迫った異常事態です」と警告した―。
札幌市南区の真駒内川は290ミリを超す雨に瞬く間に増水した。橋が崩落、激流にえぐり取られた護岸コンクリートの跡が一夜明けたいまも雨の威力を物語る。
宮城県石巻市ではきのう午前3時からの1時間に90ミリの雨が降った。そのときのインターネットカフェの店内を、防犯カメラがとらえていた。3時14分に店内に水が入り始め、20秒後には従業員が本やタオルで必死に食い止めようとしている。7分後には裏口からも水が入ってきた。従業員1人が同僚に知らせ、タオルでせき止めようとするが、押し寄せる水でお手上げだ。まったく歯が立たず、あきらめるしかなかった。男性従業員は「足首まで水が来るのに5分か10分もかからなかったですね」と語る。
『異常』が普通になってきている気象異変
東京でも帰宅ラッシュを豪雨が直撃した。気象予報士の天達武史が「ものすごい雨と風です」と傘をちぎられそうになりながら伝えている。JR新小岩駅では改札の中まで浸水した。
こうした大雨の原因は異常に発達した積乱雲だ。きのう午後6時ごろには高いところで地上から1万メートルに達したらしい。宮城県ではピンポイントの狭い範囲で100ミリの大雨を降らし、北海道では200ミリの大雨を長時間にわたって降らせ続けた。
司会の小倉智昭「100ミリは大変な大雨ですが、これだけ続くと鈍感になってしまう。来年も再来年もこうなのですかねえ」
ショーン・K・マクアードル川上(経営コンサルタント)「異常が通常になっています。これが普通ということを覚悟しなければいけないんでしょうね」
きょうも夜にかけて雨雲の渦が日本海北部に停滞し、青森、秋田、山形で「瞬間豪雨」の危険がありそう。北海道や東北では不安定な天気はあすまでで、土日は晴れるが急な変化には注意がいるという。ほかの地方は3連休中、大気が安定しておおむね晴れの予報だ。