8日(2014年9月)朝、通学途中の埼玉・川越駅の改札口を出たところで白杖につまずいた何者かに蹴られた盲学校の女子生徒が、その時の様子と心境を語った。3週間のけがを負ったが、母親は「ケガより心の傷が心配だ」という。同じ埼玉では先頃、全盲の男性と一緒にいた盲導犬が刺される事件があったばかりだ。
被害女子生徒「ただの棒ではなく、目の代わりなので理解してほしい」
女生徒は県立盲学校「塙保己一学園」に通う。女生徒は「何が起ったか一瞬わからなくなるくらい怖かった」という。おびえながらバスに乗って登校したがだれにも話さず、翌朝も痛みがあり授業に支障がでたため、学校に話したという。
女生徒は「白杖はただの棒ではなくて、目の代わりなので理解してほしいです」という。以前にも、自転車がぶつかって折れたり、「危ないじゃないか」といわれたこともあったと話す。取材に応じたのは、白杖や点字ブロックを理解してほしいと思ったからだと語る。
学園の荒井宏昌校長は「暴行を受けたというのははじめてです。びっくりしています。点字ブロックは安全だと子どもたちにいっているんですから。無防 備な弱者を攻撃するのは許されない」と怒る。生徒たちに「そういう時は大声を出しなさい」と指導している。
視覚障害者協議会の藤野喜子理事も「点字ブロックの上を歩いていても『バカヤロウ。どこ見てるんだ』『気をつけろ』といわれたことは何度かあります」という。岡安弥生リポーターが一緒に人混みの中を歩いたが、人との接触はしょっちゅうだった。
川越署は傷害容疑で捜査を始め、防犯カメラの解析とともに目撃情報の提供を呼びかけている。時間帯からいってあたりはかなりの人がいたはずで、きのう(10日)からニュースで伝えられていながら目撃者は現れていない。