日曜(8日)未明は日本中が興奮した。錦織圭選手(24)はテニス全米オープン世界ランク1位のノバク・ジョコビッチって決勝に進出した。メジャー4大会の決勝に日本人選手が進出するのは初めてだ。
テニス選手としては小柄な体がボールを拾いまくる。ジャンプして空中で放つ「エア・ケイ」をはじめ、繰り出すショットは多彩で小気味がいい。勝ち進むにつれて錦織を知らなかった人も注目してきた、とニューヨークからのリポートが伝えた。
世界ランク1位の選手が恐れた「彼はとんでもない選手だ」
激戦だった。錦織は滑り出しよく第1セットを獲ったが、2セットではジョコビッチが圧倒的でイーブン。第3セットが白眉だった。気温35度のなか7回ものジュースの末に錦織が獲る。このセットだけで66分。このとき彼はガッツポーズをしてマイケル・チャン・コーチを見た。
彼の師匠である元テニスプレーヤーの松岡修造は「彼はコーチを見ない人。それが見た。これで完全にギアがあがった」という。錦織も試合後のインタビューで「疲れていたし、走らされていたらチャンスはない。それで攻撃的プレーに切り替えた」と話している。
第4セットはその通りの展開になり、最後にジョコビッチのボールがラインを超えると、錦織はラケットを放って両手でガッツポーズを決めた。王者を破ったのだ。
松岡「ジョコビッチはホントに恐れていましたね、錦織圭の恐ろしさを。とんでもない選手だと感じながらプレーしたと思う」
にわかテニスブーム…神宮外苑の壁打ち練習場も大賑わい
出身地の島根・松江ではパブリックビューイングを設けて熱狂していた。小学生時代のコーチは「すごいね。ここまで来たらもう決勝も勝たないと」という。
ニコニコは松江だけじゃない。各地のテニススクールがにわかに繁盛しているという。神宮外苑の壁打ち練習場も大にぎわい。錦織モデルのラケットは「品切れで10月まで予約待ちです」と、テニス用品店も笑いが止まらない。
4大大会で日本人選手は3回戦がせいぜいで、ベスト8というと大ニュースだった。全米オープンで3回戦の神和住純・法政大教授は「その先は未知の世界。ぜひ勝ってもらいたい」といった。
司会の羽鳥慎一「いやあ、すごいなぁ」
石原良純(タレント)「テニス知らない人でも、錦織選手は面白いでしょ。テニスコートって広いんですよ。それを縦横無尽に走り回っていろんなワザを見せてくれるんですから」
さて決勝の相のマリン・リチッチ選手(25=ロアチア)は、世界ランク16位だが、フェデラー(スイス=同3位)を破って決勝に進出した。これも初めてだ。錦織のランクは11位。過去の対戦成績は錦織の5勝2敗。
決勝は日本時間のあす9日未明。また眠れなくなる。