予想されてはいたが、デング熱の感染者が増えている。きのう2日(2014年9月)、新たに大阪や青森などでも発症者が確認され36人になった。予防の第一は蚊に刺されないことだ。長袖、長ズボン、蚊取り線香、虫除けスプレー…となるが、拡散を防ぐには感染者が移動しないことだが、自分が感染していることに気づかない人もいて、これは防ぎようがないし、元気な蚊だったりすれば結果の予測もつかない。
有効な感染防止は蚊取り線香と虫除けスプレー
きのう新たに確認された感染者(発症)は、東京、大阪、青森、愛媛などで14人。全員が海外渡航歴がなく、先月中旬ごろに東京・代々木公園や周辺を訪れていた。訪れる人はジョギングや散歩、観光、イベント参加など目的も雑多で数も多い。
心配はむしろこれからで、近々にイベントを計画している人たちは「晴天の霹靂だ」という。道路ひとつ隔てたイベント広場は、週末にはかならず何らかの催しがある。今週末には「日本・インドネシア市民友好フェスティバル」がある。例年10万人を集める催しだが、来場者が減りはしないかと主宰者は気を もむ。
デング熱の感染者が昨年15万人(死者132人)にもなったタイでは、蚊の発生を抑えるために水たまりをなくす努力を続けている。それでも今年は7月までに1万人以上が感染し、13人が死亡している。予防の決め手のひとつが日本の蚊取り線香だった。
日本でも感染防止には家では蚊取り線香、移動先ではスプレーとなりそうだ。小さい子どものいる立花胡桃(作家)は「お母さんたちはみな携帯虫除けスプレーを持ち歩いているし、幼稚園は蚊よけのシールを貼っています。いま公園に人がいないですね。代々木だけでなく、他にもいるんじゃないかと不安なんです」と話す。
無症状の感染者の移動で他地域に飛ぶ可能性
赤江珠緒キャスター「まだ氷山の一角ですかね」
医師の久住英二氏「代々木からまだ見つかるだろうし、他に飛ぶ可能性もあります。熱が出たが、代々木公園へ行ってないから大丈夫というわけではありません。感染しても症状が出ない人は50%もあるので、これが媒介者になる可能性はありますね」と話す。
久住氏はデング熱の検査キットを見せて、「アジアで広く使われているものです。これがあれば20分くらいで感染がわかります」というが、日本では薬事法でこのキットは認められてはいないそうだ。
デング熱には特効薬も決まった治療法もないが、久住氏は「日本の医療機関で診療を受ければ、死に至ることはない」という。